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まだまだ現役だけどいつかくる「終車活」はどうする? 一生消えない「車欲」を満たす「庶民の終のクルマ」を真剣に考えてみた (2/2ページ)

まだまだ現役だけどいつかくる「終車活」はどうする? 一生消えない「車欲」を満たす「庶民の終のクルマ」を真剣に考えてみた

この記事をまとめると

人生最後の1台として選びたいモデルをピックアップ

■「価格」「燃費」「運転システムの充実」「ボディサイズ」が終車選びでは重要だ

■現時点の目線で見た場合、「現行型ノートXの中古車」が終車にふさわしいことがわかった

カーライフの最後になにを購入するか候補を挙げてみる

 人はいつか必ず死ぬ。そこに例外はない。これを書いている筆者もいつの日か死亡することになり、死んでしまえばクルマの運転もできない。いやその前に身体機能や認知能力などが「どう考えても免許を返納するべきでしょ!」という状態になるはずであるため、そのときがドライバーとしての死になるのだろう。

 幸いにして現時点では、肉体的な死もドライバーとしての死も、恐らくまだ遠い先の話である。

 だが見事な中年となり、「地面には段差などないのに歩いているとなぜかつまずく」ということも増えてきたいま、「終のクルマ」を選ぶという意味での終活ならぬ“終車活”について、そろそろ研究を始めてみてもいいタイミングなのかもしれない。ということで、始めてみよう。

 といっても、筆者がリアルに終車活を開始するのは2044年ぐらいになるはず。その時代の自動車と道路がどういったモノに変化しているかは、現段階では想像もつかない。そのため、あくまでも「いま、2024年に買える新車または中古車」をベースに物事を考えてみることにしたい。

 さて、もしもいまこの瞬間に私が終車活を始めるとしたら、最初の指標となるのは「価格」だ。いま現在でこそまあまあ高めのクルマに乗っているが、70代となった私の現金収入は激減しているはず。よって、高いクルマなど到底買うことはできない。予算は総額100万円台、最高でも総額200万円ちょいで抑えたいところだ。

 そして次に「燃費」である。いま現在でこそ「好きなクルマにおいて燃費を気にするなんて野暮だぜ!」とうそぶきながら燃費極悪なハイオク指定車に乗っているが、現金収入が乏しくなった70代の私は、当然ながら省燃費志向である。ハイブリッドであるか否かは問わないが、とにかくレギュラーガソリンで20km/L以上は走ってほしい。

 次の指標は「ボディサイズ」だ。つい先日、購入したばかりである全幅1795mmのクルマで細~い路地を徐行していた際、不覚にも左のドアミラーを電柱に軽くぶつけてしまった。

 いろいろな意味でショックだったが、今後こういったことは徐々に増えていくのだろう。

 よって、終車活時には「でっかいクルマ」は避けたいところだ。きっちり5ナンバー枠の寸法でなくても良いが、それに近いサイズ感であることが重要であるように思える。

 そして、これに関連して「運転支援システムが充実していること」というのも重要になってくる。いまのところの私はまだ大丈夫だと思うが、それでも、30代や40代の頃と比べればヒヤリハットの頻度は確実に高まっている。この現実を冷静に受け止めれば、「機械に頼る部分を増やす」という選択をせざるを得ない。

 そして、以上に加えて「受動安全性の観点から軽自動車は避けたい」「お金も熱意も恐らく減少しているので、しょっちゅう壊れるタイプのクルマは避けたい」あたりがテーマとなってくるだろう。

 しかし……ここまで挙げてきたような、「安くて壊れなくて運転支援システムも充実している、燃費がいい小さめなクルマ」を選びさえすれば、未来の終車活人である私が満足できるかというと、そんなこともないはずだ。

 なぜならば、性欲ならぬ「車欲」のようなものは、おそらくは永遠であるはずだからだ。

 日中の書店へ行くと、いわゆるHな雑誌のコーナーで高齢者が熱心に立ち読みしている姿をしばしば目にする。おそらくだが彼らは、肉体的にではなく精神的に「Hなもの」を求めているのだ。そしてその希求は、たぶん死ぬまで続くのだ。

 それと同様のことが、おそらくはクルマ生活においても起きる。つまり、70代になった私は、やはり「運転が楽しい!」とか「デザインがいい!」などの部分にも、どうしてもこだわってしまうのである。そして、そういった要素がないクルマ、あるいは希薄なクルマに乗っていても満足できず、不満タラタラとなり、結果として苦悶の表情のまま免許を返納することになるのだ。

 苦悶の表情で最寄りの警察署に行くことだけは避けたい。であるならば、「安くて壊れなくて運転支援システムが充実していて、燃費がよくて小さめで、それでいて運転が楽しく、なおかつ内外装デザインもいい感じなクルマ」を、“終のクルマ”として選ぶほかない。

 だが、果たしてそんな都合の良いクルマが世の中に存在しているだろうか?

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