この記事をまとめると
■今後のダイハツの国内事業は軽自動車に集約される可能性が極めて高い
■ロッキーやライズなどの小型車(登録車)の辿る道筋はまだはっきりとしていない
■ロッキー/ライズ(ガソリン車)およびレックスについては3月18日からの生産再開が決まった
復活に向けて再起を図るダイハツで気になるのは登録車の行方
ロッキーやライズは今後、どうなってしまうのだろうか?
トヨタとダイハツが2月13日に都内で開いた共同会見の内容を知って、そう思ったユーザーは少なくないはずだ。トヨタの佐藤恒治社長が、次のように発言したからだ。
「ダイハツの原点は、「国民車」である軽自動車など小型車でお客様の暮らしをお支えすることです。DNGAの取り組みをはじめ良品廉価なクルマづくりは本来のダイハツの強みであり、その原点に立ち戻り、会社をつくり変える覚悟で、ダイハツらしさを取り戻してまいりたいと考えております。その考えのもと、改めて、ダイハツの事業領域を「軽自動車」に軸を置いた会社に定め、海外事業については、企画・開発・生産をトヨタからの委託に変更する方向で、詳細の検討を進めてまいります」。
このように、ダイハツの国内事業は今後、軽自動車に集約される可能性が極めて高い。
昨今のSUVブームに乗って、トヨタが生産するカローラクロスやヤリスクロスよりもサイズもさらに小さい、ロッキー・ライズは着実な販売実績をあげてきた。それを一斉に止めてしまうというのか?
これまでのトヨタとダイハツからの情報を総括するなかで考えられるのは、ダイハツの小型車(登録車)の開発領域をコンパクトカーカンパニーなどトヨタ社内事業として取り組むことが想像できる。開発メンバーのトヨタへの転籍などもあるかもしれない。佐藤社長がいうように、ダイハツは事実上、解体されるのだから。
販売店からしても、安定した販売を確保できる製品であるダイハツ企画製造の小型車をいきなり消滅させてしまうことをのぞんでいるとは到底思えない。ユーザーからの需要が一定数以上ある限り、販売店としてもトヨタとダイハツに対して、この領域のカテゴリーの存続を要望することになるだろう。
いずれにしても、ダイハツを含めたトヨタグループ各社によるさまざまな認証不正問題は大きな社会問題となり世間の注目を浴びている。ダイハツのブランド価値は、地に落ちた。
その上で、これから本格化するダイハツ大改造のなかで、ロッキー・ライズなど小型車(登録車)の辿る道筋が徐々に見えてくることを願う。
なお、2月28日付のニュースリリースでは、ロッキー(ガソリン車)、ライズ(ガソリン車)、およびスバル・レックスについては国土交通省の立会試験などによって、道路運送車両法の基準に適合していることが確認された。これにより、3月18日から生産を再開することが決まった。