新型にモデルチェンジしたトランスムーバーが快適だった
そして2024年2月、IIMS2024(インドネシア国際モーターショー2024)取材のためインドネシアの首都ジャカルタを訪れた。到着直後、知り合いに会うために指定されたホテルに向かうと、敷地内に停まっている客待ちしているタクシーのなかに見慣れない車両を発見した。その車両こそが新型トランスムーバーであったのだ。
知り合いもタクシー好きだったのでそのことを告げると、当該新型トランスムーバーは先頭で待機していなかったのだが、無理を言って新型トランスムーバーに乗り込んだ。もともと近くへ出かける予定だったのだが、せっかくなので遠まわりして向かうことにした。
まず先代に比べてボディサイズが拡大しているので車内が広くなったことを実感した。また、モノコックボディとなり腰高な印象がなくなり、乗用車に近い乗降性やシートポジション、乗り心地になっていて思わず感動してしまった。プラットフォームの刷新効果も絶大で振動の改善や静粛性の向上もすぐに伝わってきた。
トランスムーバーは折り畳み式のサードシートがあるのもウリとなっている。南の島となるインドネシアなので1年中冷房が必要となるが、サードシートにも冷風を送ることができるように、フロントシートとセカンドシートの間の天井にはサーキュレーターが設置されている。これが新型では冷風を送り出すルーバーが改良され、サードシートにも冷気が伝わりやすくなっていた。
※写真はトヨタ・アバンザ
2024年になってから切り替えが始まったそうでまだまだ珍しい存在なのだが、その後もこの知人と移動する際には、新型トランスムーバーにかなり無理やり乗るようにしている。半日ほぼ貸し切りで移動に使ったこともあった。
知人のホテルと筆者のホテル、そしてショー会場は近い距離関係にあり、それぞれの場所で「新型に乗りたがる日本人がいる」というのが有名になったようで、行き先も告げていないのに「●●ホテルだろ」とか、「今日は新型に乗っていかないのか」などとドライバーにいわれるほど、タクシードライバーの間では有名になってしまった。
なお新型トランスムーバーはハイブリッド仕様ではなく、1.5リッターガソリンエンジンを搭載している。
新型トランスムーバーになって、明らかにインドネシアのタクシーはグレードアップした印象を強く受けるようになった。日本のJPNタクシーと比較しても、トランスムーバーはとにかく格好いい(あくまで個人の意見です)。3列シートで多人数乗車可能だったり、3列目シートを倒せば広大な積載スペースが生まれるなど、実用面でもトランスムーバーのほうが優れているのはあきらかだ。
トランスムーバーは全幅こそ1730mmとなるものの(JPNタクシーは1695mm)、JPNタクシーとはほぼ同サイズ。次期JPNタクシーはトランスムーバーベースでハイブリッドユニットを搭載して(あとは頑張って全幅を5ナンバーサイズにおさめる?)インドネシアから輸入というのもありかなと感じてしまった。