ダイハツ車が買えないユーザーがスズキに流れて……いない!?
軽自動車については、ダイハツがほぼ販売停止に近い状況のなか、ダイハツ軽自動車の購入を検討していたユーザーを他メーカーが集客しているものと考え、過去の販売統計を見たのだが、2024年2月に軽四輪乗用車販売でスズキは4万台超えとなっているが、2021年にも4万台以上販売している。
そして、このときはダイハツも4万台弱を販売しているので、ダイハツの販売台数減をスズキが吸収しているとも思えないし、ましてやスズキ以外のメーカーが吸収しているようにも思えない。
残念ながら本稿執筆段階では、軽自動車中古車の2024年2月単月の販売台数統計が発表されていないので確認のしようがないのだが、届け出済み未使用軽中古車に流れていることが予測できる。中古車ならばダイハツの届け出済み未使用軽中古車の購入も可能だからである。
気になるのは軽自動車ではホンダの元気がないこと。軽四輪乗用車でみると、スズキ、三菱、マツダ、日産はいずれも前年同期比で100%を超えている。ちなみに100%を超えていないブランドはダイハツの影響を受けている。そのなかダイハツの影響も受けないホンダだけ83.4%となっているのである。
ホンダの軽四輪乗用車はN-BOX以外にもN-WGNやN-ONEもあるが、販売台数全体で見ると割合ではN-BOXが圧倒している。つまり、ホンダの軽四輪乗用車が元気ないということは、N-BOXの売れ行きが元気ないということに直結しているといっても過言ではない。
あえて「不振」という表現を使わなかったのは、そこまで販売台数が落ち込んでいるわけではなく、相変わらず2023暦年締め年間新車販売台数でも「日本一売れたクルマ」になってはいるからだ。ただし、その多くは先代型の販売台数に支えられている。
筆者の私見としては、新型N-BOXは先代までの勢いはないように見えてならない。それでも「ナンバー1」に固執すれば、自社届け出による台数積み増しが顕著となり、それが届け出済み未使用軽中古車として大量に市場にあふれることになるだろう。すでに中古車市場では先代型の届け出済み未使用軽中古車が溢れている。そしてこれが新型の販売に勢いを感じられない原因になっているともいっていいかもしれない。