いまの「当たり前」は過去の「画期的」! クルマの便利さを劇的に進化させた「革新的装備」5選 (2/2ページ)

燃費がひと目でわかる……なんて当たり前じゃなかった!

 3つめは、いまではキーレススタートシステムとセットで使えるようになっているものが一般的ですが、集中ドアロックが登場した時は一気に便利になったものでした。信じられないかもしれませんが、ほんの30年くらい前までは、まずキーで運転席のドアを開けて、ドライバーが乗り込んだあとに、助手席のドアロックを内側から解除して、助手席の人が乗るという面倒な手順を踏んでいたのです。後席も同様です。

 これだと、うっかりして助手席のドアロックを忘れて運転席のドアだけロックしていた、なんて不用心なことになりがちでした。今なら、運転席か助手席のドアノブを触ったり、キーを持っている人がドアに近づくだけで全ドアのロックがガシャッと解錠できるので、乗り降りの時間短縮になります。でも登場した当初は、「誰も乗らないドアのロックまで解除されてしまうのはいかがなものか」なんて異論を唱える人がいたり、防犯上よくないという意見があったりしたものです。

 4つめは、まだ一部のメーカーでは採用されていませんが、車線変更などサッと済む時に、指で軽くウインカーレバーを弾くと4〜5回だけ点灯して勝手に消えてくれる、便利なワンタッチウインカー。高速道路など、頻繁にウインカー操作をする必要がある時には、いちいちウインカーを点灯する操作と、消す操作を繰り返さなくてもいいので、疲労軽減やつけっぱなし防止にもつながります。

 でも初期の頃は、ウインカーを軽く弾いたつもりが通常の点灯になってしまったり、戻そうとしたら点灯してしまったりと、その操作感の度合いがメーカーによってマチマチで、相性が悪いと操作しにくく感じたりしたものでした。安全上の理由や、初心者には操作しにくいといった理由で採用を見送ったり、一度は採用したけどやめてしまったメーカーもありますが、慣れればとてもラクで使いやすいものではないでしょうか。

 5つめは、細かいところですがメーター内などに表示される「燃費計」。これはハイブリッドカーなどエコカーと呼ばれるモデルがスタンダードとなり、多くのユーザーが燃費を気にするようになった今、もはや欠かせないものとなっていますが、昔は燃費を計算する術といったら、いわゆる満タン法。ガソリンを満タンにしてから走り出し、ある程度走行したら再びガソリンを満タンまで入れて、入った分のガソリンの量とそこまでの走行距離で計算して、燃費を測る方法です。

 これだと、クルマやガソリンの温度や地面の水平、空気の混入具合などによって、最初に満タンにした時と走行後に満タンにした時の状態が必ずしも同じとは限らないため、誤差が大きくなる可能性もありました。だいたいの燃費を知るには十分ですが、手間がかかるので、毎回やるのはちょっと大変。今は瞬間燃費までわかるようになって、手軽にエコドライブの指標が得られるようになったと思います。

 ということで、クルマを変え、私たちの意識も変えた革新的技術たち。今後はどんな技術が生まれ、何が変わっていくのか楽しみですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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