この記事をまとめると
■三菱トライトンが販売目標月販200台に対して初期受注1700台と予想以上に売れている
■トライトンは全長5.3m以上と長いが取りまわしで苦労するようなことはなかった
■トライトンはピックアップトラックとは思えないほど「しなやか」な乗り味を実現している
販売目標月販200台を大幅に上まわる1700台を受注
三菱から登場したニューモデル「トライトン」が予想以上に売れている。メーカーの販売目標月販200台に対して、3月10日時点での初期受注は1700台。しかも、上級グレードの比率が9割近いという絶好調ぶりだ。
あらためてトライトンというモデルについて整理すると、タイプとしては見てのとおりのピックアップトラック。パワートレインは2ステージターボのディーゼルで、トランスミッションは6速ATのみ。駆動方式はパジェロからの伝統を感じさせる「スーパーセレクト4WD-II」となっている。
三菱のピックアップトラックの歴史は長く、1978年にフォルテが発売されたのが始まり。その後、ストラーダと車名を変え、初めてトライトンの名前が登場したのは2005年。現在では世界約150の国と地域で販売されるグローバルモデルとなっている。
じつはトライトンは、過去に日本で販売されたこともあるが、当時の日本においてピックアップトラックは商用車であって、レジャーユースで使うという人は少数派だったこともあり、わずかな販売実績を残したのみでフェードアウトしていた。
とはいえ、クルマ趣味も多様化している現代において、ピックアップトラックを乗用ユース、趣味の愛車として使おうという人は増えている。新型トライトン初期受注の好調さは、そうした市場マインドの変化を感じさせるエピソードといえそうだ。
「ビーストモード」をコンセプトにしたスタイリングに、商用車感は皆無で、マッシブなフロントマスクはそこいらのSUVを超える迫力あるもの。上級グレード「GSR」だけで選ぶことのできるボディカラー「ヤナブキオレンジメタリック」も乗用的なイメージを強めている。
実際に運転してみても、最高出力150kW・最大トルク430Nmのディーゼルターボは余裕たっぷりでエンジン回転を上げずにゆったりとした雰囲気で走ることができる。しかもキャビンは驚くほど静か。巡行しているときだけでなく、急な坂を上っているようなシチュエーションでも気になるノイズは感じないほど。
ダブルキャブといわれるタイプのキャビンは、しっかりと5人乗車できるもので、乗用ユースメインで使っても不満はないと感じるものだ。