クルマの寿命は1.5倍に! 乗り替えタイミングも伸びている! 近頃のクルマが色んな意味で「古くならない」ワケ (2/2ページ)

各所が熟成されたことで寿命が伸びた

 1台のクルマを長く使うようになったふたつ目の理由は、外観のデザインや動力性能の向上が成長期を過ぎて安定期に入ったことだ。先述の20年以上前に発売された先代コペンやRX-8を見ても、古臭く感じることはないだろう。動力性能にも不満は生じない。

 しかし、R30型6代目スカイラインが発売された1981年の時点で、20年前の1961年型の初代スカイラインは立派なクラシックカーで走行性能も大幅に違っていた。2000年以降はデザイン、動力性能ともにあまり進化しないから、古さを感じさせず違和感も生じにくいのだ。

 このほか、日本で新車として売られる車両の40%近くを軽自動車が占めるなど、クルマが日常生活のツールになったことも影響を与えた。クルマが趣味の対象であれば「注目される新型スポーツカーに乗りたい」といった欲求も生じるが、ツールではそうならない。そのために、10年前に購入した先代N-BOXでも、普通に乗り続けられる。実用的には不満がないからだ。

 クルマの値上げも影響を与えている。いまのクルマは安全装備と運転支援機能が充実したこともあり、15年前の同じ車種と価格を比べると、1.2〜1.4倍に高まった。そうなると乗り替えの周期を長くして、購入する台数と出費を抑えたいと考える。

 これらの理由でクルマの乗り替え周期が長くなり、平均使用年数も延びたが、安全装備や環境/燃費性能の分野ではいまのクルマは進化が著しい。交通事故を防いで燃料代も減らし、環境に優しいクルマを求めるなら、新車に乗り替えることも大切だ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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