この記事をまとめると
■2020年度にNEXCO中日本が調査したところ落下物は年間5万6300件もあった
■「落下物」の表示を見かけたら注意し見つけたらとにかく避けるのが最善策だ
■段ボールや毛布など、柔らかそうに見えるモノも中身が不明なので極力避けるのが得策だ
落下物はとにかく避けるべし!
高速道路は一般道より路面がなだらかでクルマを走らせやすいイメージがあるが、意外に落下物が多く、これが厄介な存在となっている。
2020年度にNEXCO中日本が管理する道路で、交通管理隊が処理した落下物の件数を見てみると、その内訳は以下の通り。
・プラスチック・ビニール・布類(毛布、シートなど):2万2000件
・自動車部品類(タイヤ、自動車付属品など):7300件
・木材類(角材、ベニヤなど):5700件
・ロードキル(動物の死骸):7300件
・その他:1万4000件・合計:5万6300件
つまり、NEXCO中日本の管轄内だけでも、1日平均154件の落下物が発生している計算になる。
こうした落下物を踏んづけてしまったり、接触したりすると、タイヤがバーストしたり、バンパーやフロアを変形させたりと、洒落にならないダメージを被ることも……。
では、そうした落下物による被害を避ける、あるいは最小にするにはどうすればいいのか。
まずは車間距離をたっぷりとって、落下物の存在にいち早く気づくこと。また、前走車の走りをよく見ていて、前走車が何かを避けるような動作をしたら、落下物があることを疑い、自分もそれに備えること。もうひとつ肝心なことは、情報板や道路公団のクルマに表示される 「落下物」の情報を見逃さないこと。
これらを通して落下物にいち早く気づくことが一番大切。そして、落下物の存在を認識したら、とにかく速度を落とすこと。速度を落とせば回避するチャンスも生まれるし、ヒットしたときもダメージを小さく出来るからだ。
運動エネルギーは速度の二乗に比例するので、速度を2分の1に出来れば、運動エネルギーは4分の1に減少できる。したがって、落下物を発見し、もう避けられないと思ったときは遠慮なくフルブレーキをかけてとにかく減速。
そのうえで、出来ることなら真っ正面からぶつからず、車体半分だけでも避けて、片輪だけで落下物を踏むなど、ダメージリミテーション(不測の事態が起きたとき、その被害を最小限に抑える事後処理のこと)を全力で考え、実行しよう。
ただし、急ハンドルで回避を試みるとESCが働かない限り、クルマが不安定になり、制御不能になる可能性もあるので、ハンドル操作よりもブレーキを優先すること。
落下物が段ボール箱や毛布の類いで、一見柔らかそうに見えても、そのなかに何が入っているかはわからないので、踏んだり、接触しないのが一番!
もし避けきれず接触してしまった場合は、非常駐車帯やサービスエリア、パーキングエリアに入って、タイヤや足まわり、フロア、ラジエターなどにダメージがないかをチェック。
ダメージが見つかるなど不安があるときは走行を再開せず、JAFなどの救援を呼ぶこと。
また、落下物を踏んでも踏まなくても「道路緊急ダイヤル=#9910」に電話をし、道路上に落下物があることを通報。
落下物の除去と情報提供をお願いし、リスクを軽減できるよう協力しよう。