もはや世界の至宝第2世代スカイラインGT-R! どれも超絶人気だけど「R32・33・34」で何がどれほど違うのか? (2/2ページ)

ボディの熟成やハンドリングにも注力

 さらにR32、R33、R34の流れでいえば、空力の進歩も著しい。

 R32のCd値は0.40もあり、市販車から空力パーツの変更が認められていなかったグループAレースでは、FSWのストレートエンドでフロントが浮き上がって怖かった、とドライバーも証言している……。

 そうしたR32の経験を踏まえ、R33には4段階の可変リヤスポイラーが与えられ、フロントリップスポイラーもバンパー下端から50mm前方に伸ばすカタチに。

 こうした改善でCd値は0.35(最小)になり、後輪のCLf(揚力係数)も-0.03~-0.14とわずかだがダウンフォースを得ることに成功。

 R34は本格的な空力ボディを手に入れて、Vスペックはレーシングカーのようなリヤディフューザーを備え、180km/h時に20kgものダウンフォースを得ることが出来た。

 R34のキャッチコピーは「ボディは力だ」だったが、まさにR32からR33、R34への進化は、ボディの進化といいきっていい。その影響か、R34のニュルでのタイムは、R33よりも10~15秒速いといわれているのだ。

 エンジン自体は、いずれもRB26DETTで変わらず、R33はトルクのみ4.2%アップ。R34はボールベアリングタービンになって、レスポンスが向上しトルクも2.5kg-m増えているが、ボディの進歩に比べれば誤差の範囲であろう。なお、出力は3車とも280馬力だ。

 ブレーキはR32に住友製のF4ポット/R2ポットのアルミ対向キャリパーがおごられ、F296φ/R297φのローターだったが、N1耐久レースでキャパシティ不足が課題に……。

 Vスペックでブレンボ製ブレーキが投入され、ローターもF324φ/R300φにサイズアップ。タイヤはR32が225/50R16、R33が245/45R17、R34が245/40R18になる。

 そのほか、ミッションがR34からゲトラグの6速になったり、R33からアクティブLSDが登場したり、4WDがR33からアテーサE-TS PROになったり、ハイキャスが油圧から電動化になったりといった違いもあるが、第2世代GT-Rは一貫してハンドリング性能の向上が主題だった。

 R32はアンダーステア、R33は弱アンダー、R34はコーナリング中にステアリングの切り足しが可能! 最強の直6エンジン、RB26DETTと、弛まぬシャシー技術の進化で、世界のスポーツカーをリードした第2世代GT-Rは、いつまでも国産車の誇りといえる存在だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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