この記事をまとめると
■日本の多くの地域では横型レイアウトの信号が採用されている
■信号の赤が一番道路の中央寄りなのはドライバーの視認性を良くするため
■豪雪地帯では信号機に雪が積もりにくいように縦型の信号機が採用されている
視認性を重視して横型が広まった
警察庁によると、2022年3月時点でクルマ用と歩行者用の信号機は全国で計229万基も存在した。あまりにも信号が多いので、市街地の運転では、1時間運転した場合、およそ20分は信号待ちなどで停車しているといわれるほど……。
そんな身近な信号機だが、北海道や東北など豪雪地を除き、多くの地域では、左から青色・黄色・赤色と並ぶ横型レイアウトが標準的だ。
なぜ、この横型がオーソドックスになったのだろう?
調べてみると、日本で最初に交通信号が設置されたのは、1919年、東京の上野広小路交差点で、木の板に「トマレ」、「ススメ」と字を書き、これを回転させて使用したものだった。
そして、電気を使った自動交通信号機の第一号は、1930年に東京の日比谷交差点に設置されたもの。これはアメリカから輸入された信号機で、縦型レイアウト。
※写真はイメージ
では、横型信号の第一号はいつ、どこでというと、日比谷の最初の信号機設置から、わずか1カ月後、京都の八坂神社前と四条河原町の交差点に設置されたのが元祖。
なぜ、京都では横型が採用されたのかというと、京都は看板や街路樹が多く、縦型だとそれらの影響を受けやすく、とくに一番上の赤信号が見え難くなるため、横型が考案されたとされている。
信号機の配列でもっとも安全上重要なのは赤色の灯器。道路交通法施行令第3条でも、左から青・黄・赤と色の順番が決められて、一番重要な赤を道路の中央寄りに置くことで、ドライバーからの視認性を良くするよう配慮したのがその理由。
横型レイアウトにすることで、信号機自体が道路中央に飛び出して、よく見えることのメリットを重視した結果、全国に横型信号が広まっていったわけだ。
一方雪国では、信号機に雪が積もりにくいように、縦型の信号機を採用している。縦型信号も赤色の視認性を最優先して、上から赤色・黄色・青色の順にすることが、道路交通法施行令で定めている。