富士スピードウェイなのにコースじゃなくて「あえて駐車場」でレッスン……ってナゼ? トヨタモビリティ神奈川の狙いと思いを直撃した! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2024年3月9日(土)に「第1回ドライビングエクスペリエンスEvo.1」が開催された

■「ドライビングエクスペリエンス」は駐車場にパイロンを置いて基本操作を学ぶドライビングレッスン

■「ドライビングエクスペリエンス」はサーキットを走る前の本当の初級編となっている

奥が深いクルマの基本的な運転操作を広大な駐車場で学ぶ

 2024年3月9日(土)、富士スピードウェイ内のP7駐車場特設コースで、トヨタモビリティ神奈川主催の「第1回ドライビングエクスペリエンスEvo.1」が開催された。このイベントは、駐車場にパイロンを置きクルマの運転操作を学ぶ、いわゆるドライビングレッスン。近年盛り上がりを見せるディーラー主催のサーキット走行会とはコンセプトが異なる。なぜ、駐車場レッスンに力を入れるのか、同社の想いを取材した。

 第1回ドライビングエクスペリエンスEvo.1は、トヨタモビリティ神奈川のクルマファンづくりの一環として行われたもの。約80人の応募の中なかから抽選で選ばれた定員一杯の22人が参加し(参加料4000円)、TOTOTA GAZOO Racing所属の佐藤久美氏やレーシングドライバーの松井孝允氏、元トヨタ自動車凄腕技能養成部の高木 実氏の指導のもと、「走る」「曲がる」「止まる」というクルマの基本動作を学んだ。

 イベントで中心的な役割を果たしていたのがGR Garage MASTER ONE東名川崎のゼネラルマネージャー、横田浩之氏だ。GR GarageはTOYOTA GAZOO Racingが全国に展開するアンテナショップで、MASTER ONE東名川崎は、トヨタモビリティ神奈川唯一のGR Garage。同社のなかで、モータースポーツやカスタマイズを推進する役割を担っている。

 主なレッスン内容はドライビングポジションとスラローム、急加速&急制動、Jターン(コーナリング)、定常円旋回の5つ。自身もインストラクターを務める横田浩之氏による座学のあと、4つのグループにわかれてレッスンがスタート。

 参加者はまず、4人のインストラクターについて正しいドライビングポジションのとり方を学んだあと、自分の愛車でスラロームと急加速&急制動を体験。お昼を挟んだ午後にはJターンと定常円旋回を体験し、この日のメニューは終了。走行直後にインストラクターが直接アドバイスを送ったり、あるいは無線でリアルタイムに伝えたりと、自己流になりがちなドライビングを改善するための、手厚いサポートが目をひいた。

 同社では毎年、ドライビングフェスタというイベントを富士スピードウェイのマルチパーパスコースで実施している。愛車でスラロームや定常円旋回などを自由に楽しむ機会を提供してきたが、今回のイベントはそれよりも初心者に寄ったもの。ディーラー主催のサーキット走行会が人気を集めるなか、なぜ駐車場レッスンに力を入れるのか、横田氏に話を聞いた。

「お客様から『走行会はやらないのですか?』とよく聞かれます。走行会を開催するのはいいのですが、走る、止まる、曲がるが理解できないと、サーキットに行っても最初は何もできないと思うのです。今回のドライビングレッスンは、サーキットを走る前の本当の初級編です。これを経験してからじゃないとサーキットを楽しめず、つまらない思いをしてしまうと思います」(横田氏)。


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