EVの販売が停滞しハイブリッドが売れてるいまが日本メーカーのチャンス! 水面下でBEV戦略を推進すれば未来は明るい (2/2ページ)

世界的にみると公共交通機関のBEV化は急速に進んでいる

 すでにバスやタクシーなど公共交通機関におけるBEV化は、導入のスピードや時期に差はあるものの、そのBEV化は世界のスタンダードになっているといってもいい。ある国では空港内で使用する車両すべてをBEV化していくなど、できるところから対応していく動きも目立っている。

 複雑な制御を伴うハイブリッド技術は、日本車(おもに先駆者のトヨタ?)のお家芸でもあり、世界的に「日本車=HEV」となっているので、たとえば中国ではPHEV(プラグインハイブリッド車)もラインアップしているBYDのデンザD9でも、中国以外の市場ではBEVのみで勝負してくる姿勢を見せている。

 HEVが注目されているとはいえ、日本以外のメーカーは技術面はともかくハイブリッド技術についての日本メーカーの存在感の強さをみると、それではとこぞって参入というわけにもいかないようにも見えるのである。

 ただし、完全移行するかは別としても、長期的に見ればBEVの存在は外せない。いまはウクライナ紛争やイスラエルのガザ侵攻など、世界的にキナ臭い動きも目立つ「非常時」といってもいい状況なので、「BEV普及」も足踏み状態のようにも見える。

 また、寒波襲来のアメリカ・シカゴで大量のBEVが立ち往生したり、中国・海南島では火災リスク低減から、フェリーへのBEVの積載台数制限が厳しく、島を出られないBEVユーザーで大混乱したといったニュースなど、製造面も含め普及が進む課程での問題もあちこちから頻発している。

 日本メーカーもBEVを無視しているわけでもなく、着々とラインアップ拡大や生産拡大を進めている。「HEVもいいけど、BEVもね」となるように、BEVの足踏み傾向にも見えるいまこそ、日系メーカーが世界のトレンドに追いつくチャンス到来と筆者は考える。このチャンスをぜひ無駄にしないで欲しい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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