防災意識を高める「災害疑似体験」の重要性! VRゴーグルまで備えたいまどきの起震車がスゴイ (2/2ページ)

最新技術を使って実際の緊張感も再現

■VR連動機能で臨場感の高いシミュレーションが可能

 この地震体験車には、デモンストレーションブースでの揺れの再現に連動して、VRゴーグルを装着しての再現映像を同時体験することができるようになっています(オプション装備)。揺れの体験だけでもかなりの非日常な感覚ですが、タンスが倒れたり、棚のものが落ちたりという臨場感の高い映像を見ながら揺れを体験することで、まるでその場にいるようなリアルな体験を可能としています。

 実際にVR連動のシミュレーションを体験した人からは、「想像より地震が怖いものだと実感できた」という声が多く、防災への意識が強まったという話もよせられるようになったとのことです。

 飛鳥特装では、よりリアルな地震の再現ができるように、データの収集には力を入れているとのこと。

■電源は複数用意できる

 このデモンストレーションブースの駆動は電気による強力なACサーボモーターでおこなっています。電源はいくつかのオプションから選ぶことが可能で、大容量のリチウムイオンバッテリー電源ならエンジンをオフの状態でもデモンストレーションブースの稼働ができるほか、各種映像の放映や、拡声器での音声アナウンス、LED投光器で周囲を照らすなど、災害時に活躍する各種装備の電源としても働きます。また、PTO(エンジンから直接動力を取り出す機構)駆動の大型発電機や、自律稼働の大型発電機などを搭載すれば、災害時の電源車両としても活用が可能だそうです。

■いろんな現場での使い勝手を考慮した構成

 この地震体験車は、おもに自治体の災害被害予防活動の一環として活用されることを主に想定してつくられた車両ですので、いろんな場所に出向いてデモンストレーションを行う際に、その場所や利用者に合わせた柔軟性も持たせてあります。

 外壁を兼ねるウイング扉を開くと短いヒサシ状態になり、ちょっとした雨風はしのげますが、さらに追加のひさしが装着できるので、ステージ部分も覆うことができます。

 また、車体後方には車いす用のリフトを設置することが可能となっていて、身体に障害を持つ人たちもリアルな地震の体験をすることができるようになっています。

■車両をレンタルできる? 買うとしたらいくら?

 この地震体験車はレンタルもできるそうです。費用は1日あたり25万円+相模原の拠点からの車両輸送費となっています。イベントの催しとして導入するのはもちろんのこと、個人でもレンタルすること自体は可能のようです。

 また、車両まるごと購入する場合はおいくらくらいなのでしょうか? 基本仕様の定価は約5000万円とのことでした。用途によっては、これに先述のリフトや電源装置などを加えていくことになります。外装のラッピングもおこなっているそうなので、オプションをフルで装備すると……。まあ、それでもレクサスLFAの今の相場よりはだいぶお安いというのは間違いないでしょう。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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