依頼時はどんな人を選べばいい?
交通事故を分析する公的機関について
交通事故鑑定人は、資格を取得する必要がないため、信頼性を見極めるのが難しく、どこに依頼するかで裁判の判決や損害賠償請求額等が変わってしまう可能性もあります。では、交通事故を分析する公的な機関はないのでしょうか。
道路交通法第108条の13第1項に「国家公安委員会は、交通事故調査分析センターを全国にひとつだけ指定できる」と定められていることからも、交通事故を分析する公的な機関は存在します。それは、「交通事故総合分析センター(ITARDA)」です。
道路交通法で定められている「交通事故調査分析センター」である「交通事故総合分析センター(ITARDA)」は、交通事故の防止と被害軽減のための調査研究等を行うことにより、道路交通の安全と円滑に寄与することを目的に活動している公益社団法人です。
交通事故調査分析センターの目的
国家公安委員会が全国にひとつだけ指定できる交通事故調査分析センターは、交通法に「交通事故の防止及び交通事故による被害の軽減に資するための調査研究等を行うことにより、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする」と明記されているように、交通事故の防止や被害の軽減を目的とした機関です。つまり、被害者の救済や加害者の正当性の証明を目的とした機関ではないということになります。
交通事故の全容解明には客観的な視点が必要
交通事故は、さまざまな要因が複雑に重なり合って起きてしまうものや、一瞬の判断ミスにより起きてしまうものなど、原因はさまざまです。
瞬間的に複数の事態が起きる交通事故の全容解明が難しいときや、ドライブレコーダーに記録されていない部分で発生した事柄を明らかにするためには交通事故鑑定人の力が必要となります。交通事故の原因や事実関係を明らかにする交通事故鑑定人は、表舞台に立つことは少ないものの、交通事故の全容を解明する際に役立っている重要な人といえるでしょう。