新車はかつてのように「お買い得なタイミング」がない! イマドキはいつ買っても条件にほとんど差がなかった (2/2ページ)

ディーラー利益が圧迫されたいまはいつ買っても条件はほぼ同じ

「そもそも、いまのような物価高騰が訪れる以前から年間を通じて車両本体値引きに“波”のような、つまり増販期だからといって車両本体値引きがアップするということはなくなり、年間を通じてほとんど変化しなくなりました。増販期に好条件になるのは用品サービスの充実や、下取り査定額の一律アップなどの“特典”があったからです」とは事情通。

 車両本体価格からの値引きについては、トヨタ車がすでに車種によって原則ゼロや数万円程度といった抑制傾向となっており、国内販売トップメーカーのこの傾向は、他メーカーにも程度の差こそあれ波及しつつあるものと筆者も実感している。

 新車を売っても利益がほとんど得られないなか、ディーラーは下取り車や試乗車の再販での利益確保を重視しているので、値引きが足りない分を下取り査定額へ上乗せするといったことも期待できない。

 さらに、販売トップのトヨタを中心に納期遅延がまだまだ続いていることも、いわゆる「値引きの平準化」を加速させている。増販期に大幅値引きなど好条件がとくに期待できたのは、かつて新車ディーラーの多くが抱えていた潤沢な「ディーラー在庫車」があってこその話。しかし、現在の新車生産状況は、ディーラーが「見込み発注(お客が注文する前に先行してオーダーをかけること)」して自社にストックするということはまだまだ厳しいのが現状となっている。ホンダ系ディーラーあたりで聞くと、「あらかじめ月々決められた生産枠があり、そこから溢れれば翌月生産扱いになる」という流れになっているということであった。

 つまり、ディーラーとしても、注文をもらったのはいいのだが、その新車がいつの販売実績になるのかというのが読み切れないので、増販期にセールをやるといってもある程度、工場からの出荷時期が読みやすいモデルに限定してセールを行うことも多い。

 つまり、ここでいいたいことは、現状では「年度末は買い得だからそれまで購入を待つ」といったことはせずに、欲しくなったときに商談を行って条件が合えばそのまま契約しても、増販期と購入条件で大きな差はないというのが現状ということである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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