「いつか」「そのうち」とか言ってると最後に後悔が待っている! アガリのクルマは「アガる前」に買うのが大切な5つの理由 (2/2ページ)

いつまでも運転することを楽しめるとは限らない

4)経済的・環境的に許されるか?

 クルマを購入する以上、たいていの場合は百万円単位の出費が伴います。高額なクルマになると一千万円単位であることも。いずれにしても大金です。現金で購入する場合は貯金の何割かを削ることになるので、それを避けるためにローンを組むケースも少なからずあると思われます。

「組むは天国、払うは地獄(?)」なローンですが、そもそも社会的な信用がないとローンの審査がとおりません。とくに転職直後や定年退職、再就職など、人生の節目の直後だと、これまではすんなりとおせていたローンがとおらない……という可能性も考えられます。ローンをとおせるときにアガリのクルマを買っておくのも、人生設計のひとつかもしれません。

5)それまで健康でいられるとは限らない

 そして何よりも「健康第一」。若い世代の方であれば「年寄りじみてるなぁ」と思うかもしれませんが、年齢を重ねるに連れて「健康であることのありがたみ」を身に染みて感じるようになります。そうなのです。若い世代の方が「年寄りじみてる」と思う光景は、何十年後かに自分たちが確実に経験するであろう未来なのです。

 たとえば、勤め上げた会社を定年退職したあと、マニュアルのオープンカーに乗って第二の人生を謳歌したいと考えている方がいるとします。年齢的には60代半ばくらいでしょうか。まだまだ仕事もプライベートも現役! 気持ちのうえでは40代と変わらないくらいの気概をお持ちかもしれません。

 しかし、やれ関節痛でクラッチが切れないとか、ぎっくり腰や坐骨神経痛で着座位置が低いスポーツカーに乗るのはしんどいとか、「クルマが速すぎて目がついていかない」とか、文字どおり「年寄りじみた」トラブルに悩まされます。そりゃそうです。人生60年も生きていれば、身体のあちこちにガタがきても不思議はありません。若いときに不摂生をしていたらなおさら。さらに重篤な病にかかってしまうことだってありえるのですから……(考えたくはありませんが)。

まとめ:結論としては「乗れるときに乗っておくべし!」

 人生100年時代なんていわれていますが、18歳で運転免許を取得して、返納するまで50年だとすると68歳、60年なら78歳までクルマを楽しむことができます。そう考えると、人生100年時代であっても、思う存分にカーライフを楽しめるのはせいぜい5、60年くらいです。

 さらに、そこから気力・体力・健康が維持できて、クルマの性能を存分に味わえる期間といったら……。意外と時間が限られていることに気づきます。

 たとえば「60代後半になったら憧れのポルシェを購入して、5年間限定で楽しむ。それでクルマ趣味は卒業」でもいいと思うんです。1日でも、1分でも長くアガリのクルマとの時間を過ごす。モヤモヤしていると、どんどんその持ち時間が減っていってしまいます。

 再度繰り返しますが、「いつか」「そのうち」「いずれ」は訪れないのですから。もし起こったら、それはまさしく「奇跡」です。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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