現状ではなにを共同で進めていくかは不透明
というわけで、現時点ではホンダと日産が、主に技術面で協業できる可能性を表立って検討していくフェイズといえる。クルマ好き的には「GT-RとシビックタイプRが兄弟モデルになるのでは? 」のような夢を想像したくなるが、具体的な話は決まっていないようだ。
ただし、記者会見でのQ&Aに漂う空気感からすると、両社ともに新しいビジネスモデルを持つ新興企業(テスラやBYDをイメージすればいいだろう)に従来からの自動車ビジネスモデルでは対抗できないという共通認識はあるようだ。旧来の自動車メーカーがこれからの時代を生き残るにはドラスティックな変革が必要であるというわけだ。
より具体的にいえば、2030年あたりの自動車社会において求められる電動化(ゼロエミッション)・知能化(自動運転やコネクティッド)を、十分な性能と適切なコストで実現するには、まさに”いま”協業を検討することがギリギリのタイミングといえる。
すでに、日産はルノーや三菱自動車というパートナーがあり、ホンダもGMとの協業やソニーホンダというジョイントをしているのはご存じの通り。そうした部分も含め、この協業によるスケールメリットは計り知れないのも注目といえよう。
いずれにしても、リーフの量産などで知られるように電動化についてはトップランナーといえる日産と、世界初の自動運転レベル3(レジェンド・ホンダセンシングエリート)を量産したホンダが広い視野で協業を検討するということに、未来を体感できる自動車技術の誕生を期待したい。