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「キーを捻れば」「ボタンを押せば」エンジンがかかるのはイマドキの話! 昔のクルマ好きなら誰もが引いた「チョーク」とは (2/2ページ)

「キーを捻れば」「ボタンを押せば」エンジンがかかるのはイマドキの話! 昔のクルマ好きなら誰もが引いた「チョーク」とは

この記事をまとめると

■かつてのクルマはキャブレターで動いていた

■エンジンをかけるには「チョーク」というアナログな機能を使う必要があった

■現代のクルマではチョークと同じ機能をコンピュータで制御している

いまではほぼ絶滅! チョークってどんな機能だった?

 1970年代あたりまでに作られた旧車では、エンジンへの燃料供給装置としてキャブレター(キャブ)を使っていることがほとんどだ。しかしながら、1980年代以降は電子制御によって燃料を噴射するインジェクションが主流となり、キャブのエンジンは徐々に減っていった。2000年代以降は、古い設計のまま継続生産している車両でもないかぎり、キャブを使っているモデルを見ることはなくなっていった。

 それに伴い、キャブを使っている旧車のエンジンを始動させられない人も増えていったという話がある。なぜなら、キャブ車のエンジン始動には「チョークを引く」という作業がマストといえるからだ。それを知らずに、いくらセルをまわしてもエンジンはかからないことがある。

 はたして「チョーク」とは何物で、何のために「引いていた」のか、あらためて整理してみよう。

 ところで「チョーク」というカタカナから、学校などで使われている黒板に使う筆記用具を思い浮かべるかもしれないが、クルマのチョークとはまったく関係ない。英語の綴りでいえば黒板に使うのは「Chalk」、クルマで使うのは「Choke」と異なっている。

 格闘技ファンであれば「チョークスリーパー」といって、腕で頸動脈を締める技を知っているかもしれないが、こちらはクルマで使う「チョーク」と同じ綴りを使う。「チョーク(choke)」というのは「締める」とか「ふさぐ」といった意味合いの言葉だ。

 つまり、キャブの吸気経路を絞って、空気が入りづらいようにすることが「チョーク」の役割だ。細かい理由は省くが、結論的にいえば冷間時のエンジン始動では、燃料を濃い目にした混合気にする必要があるからだ。

 ご存じのように、キャブというのは吸気によって燃料を吸い上げてエンジンに供給する仕組みとなっている。そのため、チョークを引いて吸気経路を細く絞ることで始動時に濃い目の混合気を作ることができるというわけだ。

 もっとも、すべてのチョーク機構が吸気経路を絞っているわけではない。チョークを引くことで、燃料増量する仕組みを持つキャブも存在する。

 いずれにしても、チョークを引くのはエンジン始動時だけなので、走り出す前にはチョークを戻すことも基本中の基本。戻すタイミングは、エンジンの暖機が進んでチョークを戻してもアイドリングが安定するようになったときだが、そのあたりの判断も初心者には難しいかもしれない。

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