さまざまな状況でスバル車の魅力を再確認
200Vの充電器がある宿に泊まり、満充電の状態で2日目がスタート。ソルテラはバッテリー残量(%)や充電完了のお知らせがメーターに表示されるため、状況が一目瞭然だ。
「お待たせしました、海です」という音声ガイドの言葉とともに、ルートは国道135号の海岸線へ。「海は見られる時に見ておかないと」という意識で育った海なし県出身の筆者にとっては刺激的なドライブ体験だ。そしてこのタイミングで流れるスピッツの渚。エモすぎて卒倒するかと思った。
経由地の尾ヶ崎ウイングは海を眺めながら一息つくのにぴったりの場所だった。
その後アップダウンのある市街地を通ったのだが、ソルテラのS PEDAL DRIVEが重宝した。S PEDAL DRIVEとはアクセルペダルひとつで加速と減速をコントロールできる、EVならではの機能。アクセルから足を離すことでブレーキをきかせられるようなイメージだ。ペダルを踏み替える回数が減るため、頻繁に加減速を行わなければならないシーンでの運転がぐっとラクになる。
他社のワンペダルのように完全停止まではしないが、スバルのS PEDAL DRIVEは自然な感覚が魅力。前回のマイナーチェンジにより、センターコンソール上のスイッチだけでなくパドルスイッチでもオン・オフができるようになった。
続いての経由地は崖の一部が波の力で削られてできた海食洞、龍宮窟だ。天井部分には直径50mの穴が空いていて、洞窟内部には厳かでありながら開放的な景色が広がっていた。上から見下ろすとハートの形に見えることでも知られているそうだ。
龍宮窟のすぐそばには田牛サンドスキー場も。傾斜30度、滑走距離45mの天然の砂のゲレンデは迫力満点。そりができるとのことで心惹かれたのだが、今回は準備をしてこなかったため泣く泣く断念。
そしてついに最終目的地へ。締めくくりにMISIAのアイノカタチが流れ、今回の旅の思い出が走馬灯のように蘇る。
あいあい岬にはエンディングにふさわしい、伊豆の絶景が広がっていた。
音声ガイドが教えてくれたユウスゲ公園にも足を伸ばし、美しい景色や出会いの鐘での撮影を堪能。
さまざまな状況で性能を発揮してくれたソルテラにもすっかり愛着が湧いた。今回の行程で充電は2回。充電のためだけに時間をとることなく、食事中、宿泊中に済ませることができた。
1日目にあいあい岬まで行き2日目は帰路につくのみ、などと考えていたのだが丸々2日間かけて旅を楽しんでしまった。撮影をしながら巡ったのもあるが、「SUBAROAD」が想像以上に魅力的だったことも大きいだろう。
ちなみに今回ルート付近のめんたいパーク、ストロベリーファーム、旧天城トンネルにも立ち寄り、途中で宿に入ったが、「SUBAROAD」は寄り道をしてもOK。ルートを外れたことでナビが混乱した場合は、設定メニューから「ルートリフレッシュ」を行うと元通りになる。
カーライフは日進月歩でより安全に、便利に、効率的になっている。テクノロジーの進化には間違いなく助けられているのだが、一抹の寂しさを感じることがあるのも事実。
生産終了となったEJ20を抱きしめMTのシフトレバーにしがみついている筆者にとって、ムダを楽しむことが許されなくなった世の中は少々生きづらい。
だが「SUBAROAD」では遠回りをすることで、その土地の景色やクルマの走りを楽しむ。ドライブの本質を再確認させてもらえたような気がした。
ドライブに関しては効率化へのアンチテーゼがあってもいいのではないか? いまの時代にこのような考えを持つメーカーの存在は希望だ。
スバル車オーナーの方はぜひ「SUBAROAD」に導かれるがまま、趣のあるドライブを楽しんでみてほしい!