ハイスペック版や水冷モデルを追加するも4年で終売
1967年にホンダN360やスズキ・フロンテといった高性能を売りとする競合が現れ、1958年に庶民のための軽自動車として発売されて絶大な人気を集めたスバル360も、10年近い時間を経て勢いを失いつつあった。R-2は、競合と存分の競争力を持つ性能と、独自の快適空間や乗り心地を備えての誕生であり、再びスバルへの期待を強く印象付ける商品性を備えていた。
さらに、デビュー翌年には高性能なSS(36馬力)を加えた。そのうえで、1971年には水冷エンジンも追加されることになる。ただ、もともとリヤエンジン車であるため、水冷エンジンも客室後ろに搭載し、ラジエターはフロントに配置する独特な設計であった。
水冷エンジンの搭載により、ラジエター冷却の必要性が出たことから、グリルレス的な造形であったフロントに、ラジエターグリルが設けられた。しかし、本来グリルレスで完成していた外観への追加となり、やや違和感を覚えさせた。
それもあり、R‐2は1世代のみで歴史を終え、レックスへと移行する。水冷エンジンを搭載することを前提としたレックスの外観は、R‐2と異なり直線的で精悍な姿となり、スバルの次の軽自動車の時代を築くことになる。
R-2の車名はそれでも歴史に刻まれ、2003年に、装いも新にした新世代のR2が誕生することになった。