二輪の世界ではスパイクタイヤOK!?
ただ、二輪での雪道走行においては、チェーンを巻くという手法もある。とはいえ、こちらも、ホンダ・スーパーカブやジャイロ系、ヤマハ・ギアなどのビジネスバイクのサイズがメインターゲットとなっている。
もっとも、趣味のスノーライディングという楽しみが存在しないわけではない。前述したように一部の好事家においては日本最北端の宗谷岬に元旦に集合するという年越しツーリングが定番イベントとなっている。
さすがに北海道で長距離のツーリングを楽しむとなるとチェーンでは耐久性の面で厳しく、スノータイヤでは雪上グリップが心もとない。
そのため、タイヤのトレッド面に金属ピンを打ったスパイクタイヤを使うライダーが多いというウワサだ。スパイクタイヤは海外から輸入されたものだったり、国内で自作したものだったりするという。
なぜなら、平成2年(1990年)7月に公布された『スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律』によって国内大手タイヤメーカーは、1990年以降スパイクタイヤの製造を中止しているからだ。
金属製のピンが圧雪や氷に食い込むことで雪上では圧倒的なパフォーマンスを示すスパイクタイヤだが、ピンが舗装路を削り取ってしまい粉じんを発生させるという大きな欠点がある。
この法律では『何人も、指定地域内の舗装道路の積雪又は凍結の状態にない部分において、スパイクタイヤを使用してはならないとし、これに違反した者は10万円以下の罰金に処する』としている。
なお、同法律において『重量が小さいこと及びスパイクタイヤの普及状況からみて、原動機付自転車に係る粉じん問題は小さいと考えられることから対象から除外』されている。つまり、原付バイクであれば、スパイクタイヤの走りを味わうのは、ただちに違法というわけではなかったりするのだ。