中国車に日本語で「日本のテクノロジー」ってどういうこと!? いまだアジアでは「日本ブランド」は強かった (2/2ページ)

日本のブランド力はいまだに高い

 日本車がいまだにASEAN(東南アジア諸国連合)各国で高い販売シェアを維持していることも含め、いまだにアジア圏では日本へのリスペクトが高いのだが、時にそのような国々を訪れて日本へのリスペクトの高さに触れると、筆者は少々恥ずかしくもなってしまうこともある。

 親日で知られる台湾では、日本で放送されている日本の芸能人を起用したテレビコマーシャルがそのまま放映されていたりもする。自分たちで制作したと思われるテレビコマーシャルでは、「日本製」とデカデカと表示するものもあった。現状の日本で生活しているとなかなか実感することはできないが、東南アジアではいまだに「経済大国」としてリスペクトしてもらっていることはじつにありがたい話でもある。

 街を歩けば、とくに若者がいろいろな日本語の書かれたTシャツを着ているのをよく見かける。このような様子を見れば、いまだに入国ビザが必要となるのに、こぞって日本を観光などで訪れようとする外国人が多いのも妙に納得することができる。

 ただし、前述した「ウーリンを日本製と勘違いしている」といったことは実際に家電製品などでは当たり前のようになっており、かつて隆盛を極めた日系のブランド名だけを買い取り、日本メーカーでもないのにそのブランドを製品につけ、「なんちゃって日本メーカー製品」として販売しているケースはよくある話。

 クルマに関してはまだそこまでは進んでいないものの、中国の上海汽車はイギリスのMGブランドを買収した南京汽車を買収し、いまではMGを自社ブランドとしている。そして、タイやインドネシアや中国国内では、中身は上海汽車のブランドモデルでありながら、「MGブランド車」としてラインアップしている。

 中国メーカーに限らず長期的な視野に立てば、今後「日系ブランド」を名乗ってくる日本以外のメーカーが出てくる可能性も完全には否定することはできないだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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