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GTって名乗るクルマが多いけどそもそもGTって何? じつはスポーツカーとはまったく違うものだった (2/2ページ)

GTって名乗るクルマが多いけどそもそもGTって何? じつはスポーツカーとはまったく違うものだった

この記事をまとめると

■長距離移動に適したクルマの種類として「GTカー」が存在する

■筆者が思う「GTカー」の定義に近しいモデルも紹介

■国産車にも「GTカー」の素質を持ったクルマを2台挙げてもらった

エンジンに余裕があることがGTカーの大切な要件

 クルマの呼び方のひとつに「GTカー」というカテゴリーがある。GTと聞くと、スポーツカーのようなクルマを想像しがちだが、それは間違い。英語ではグランドツーリング、イタリア語ではグランツーリスモの略、GTとなり、「長距離を快適に走れるクルマ」と解釈するのが正しい。

 ちなみに、VWゴルフにGTIというグレードがあるが、これはGrand Touring Injectionの略で、グランドツーリング性能が注入(Injection)されたゴルフ=ホットハッチという意味になる。VWゴルフにはガチなスポーツモデルの「R」があり、それとは区別される。

 では、「GTカー」とはどんなキャラクター、性能を持つクルマなのだろうか。すでに説明したように、長距離を快適に走れるクルマだから、それなりのサイズでエンジンパワーに余裕があり、乗り心地や静粛性の高さ、長距離ドライブでも疲れない快適性、豪華装備を備えたクルマとされ、スポーツカーに求められる山道やサーキットなどでのハンドリング性能より、高速速走行での直進性、高速コーナーでの安定感が重視されているのが一般的だ。当然、長距離ドライブでは荷物もたっぷり積む必要があるため、トランク、ラゲッジスペースの広さも必要項目となる。なお、乗車定員は2名でも4~5名でもGTカーと名乗ることが許される。

 だから、小排気量のコンパクトカーにGTバッジを付けたグレードは、ある意味、なんちゃって「GT」であり、グランドツアラーではなく、加飾などでスポーティっぽさを演出した「ジィティ」の呼び方の意味でしかないのが一般的だ。ホンダ・フィットにRSというスポーティグレードがあるが、GTとは呼ばず、あえて「ロードセイリング」の略とされている。

 ここで筆者の愛車の中で、GTカーと呼べる1台を紹介すると、バート・レイノルズ主演の1977年にアメリカで制作された「トランザム7000」に憧れて手に入れた、同じTバールーフを持つS130フェアレディ280Z(北米仕様・マンハッタンカラー)がある。フェアレディZというとスポーツカーのイメージだが、とくに2代目のS130系は、北米でも大好評だった、まさにグランドツアラー的スポーティカー、GTカーだったと思う(現在のフェアレディZは純粋なスポーツカーである)。

 もちろん、トランザム7000の映画で、テキサスからアトランタまでの約1450kmを豪快に走りまくる6.6リッター!? イーグルマスクのトランザム(正式にはポンティアック・ファイヤーバード・トランザム)も長距離を快適に走れるグランドツーリングカーに相応しい1台だったはずだ。グランドツーリングカーにオープン、Tバールーフは格好の装備でもあったのだ。

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