この記事をまとめると
■海外の工場で生産されて日本に持ち込まれるクルマは現在7車種存在している
■日本国内の工場では作れないサイズであったり、設備の事情から海外生産となっている
■海外生産なので、受発注をシンプルにするためにグレード構成もシンプルなのが特徴だ
あのクルマ、じつは海外の工場から持ってきてた!?
ホンダ・オデッセイが2023年12月に国内販売を復活させた。しかし生産は中国の工場が受けもつ。つまりホンダ製の輸入車になった。
現行オデッセイは2013年に発売され、近年では売れ行きを下げたが、2020年にフロントマスクなどを刷新するマイナーチェンジを行って成功させた。2021年の登録台数は、前年の2倍以上に増えていた。
ところがホンダは、好調に売れ始めた2021年に、オデッセイの国内販売終了を発表した。2022年9月には、在庫車を含めて販売を完全に終了している。それが2023年12月には、前述のとおり国内販売を復活させたのだ。
オデッセイが国内生産を終えた直接の原因は、埼玉県にある狭山工場の閉鎖だ。同じ工場で生産していたステップワゴンは同じく埼玉県の寄居工場に移管して生産を続けるが、オデッセイは全幅がワイドで、寄居では扱えない事情もあった。
それでもオデッセイは大切な商品だ。いまのホンダではN-BOXが国内で売られるホンダ車の40%近くを占めており、そのほかの車種も、売れ筋は軽自動車やコンパクトな小型車に限られる。オデッセイは堅調に売られる数少ない普通車で、価格も相応に高く、国内の販売会社には貴重な存在だ。従って廃止はあり得ない。そこでオデッセイを中国から輸入することになった。
ちなみにホンダでは、CR-Vも廃止と復活を繰り返しており、場当たり的な対応が目立つ。車種を廃止するとユーザーは裏切られた気分になり、ホンダから離れてしまう。従って数年後に復活させても遅いのだ。