この記事をまとめると
■建機メーカーのコマツがウイリアムズF1チームとスポンサー契約を結んだ
■コマツは1980〜90年代にかけてもF1チームのスポンサーをしていた
■コマツはかつてはパーツの供給なども行なっていた
日本の企業がF1チームのスポンサーに!
2024年2月5日、イギリスのF1チーム、ウイリアムズ・レーシングは、日本の建設・鉱山機械メーカーのコマツ(小松製作所)との複数年にわたるパートナーシップ締結を発表した。
その日に公開された2024年仕様F1マシン『FW46』には、ノーズとサイドポンツーンに大きく「KOMATSU」のロゴが!
コマツは、売上高世界第2位の建機メーカーで、国内ではブルドーザー60%、油圧ショベル30%という比率でトップシェアを誇っている。
同社は油圧機器に強く、最近ではICT(情報通信技術)の面でも、建設現場の省力化に積極的に取り組んでいることで知られているが、建機メーカーがモータースポーツ、それも最先端のF1とパートナーを組むのは意外に思うかもしれない。
しかし、コマツがF1と関わるのは今回が初めてではなく、1991年にはロータスのスポンサーになってF1に参戦。単なるスポンサーではなくテクニカルスポンサーとして、センサー類も供給。ミカ・ハッキネン、ジョニー・ハーバードがロータス102Bをドライブし、ハッキネンがサンマリノGPで5位に入賞している。
ちなみに、ロータスとはセミオートマチックトランスミッションも共同開発していたといわれるが、実戦に投入された記録はない……。ロータスとコマツのコラボはその後、1994年まで続いている。
余談だがこの時代、多くの日本企業がロータスチームを支えており、コマツのほかに、タミヤ、塩野義製薬、日立製作所、イエローハット、日本物産などのロゴが、ロータス107の車体に貼られていた。
そしてウイリアムズとは1980年代から1990年代にかけてパートナーとして提携。とくに1996年にデイモン・ヒルがチャンピオンになったFW18と、1997年にジャック・ヴィルヌーヴがチャンピオンになったFW19には、ギヤボックス部品などを提供してきた実績もある。
ウイリアムズは、2018年以降低迷していて、コンストラクターズランキングでも最下位争いをしているような有様だったが、昨年はアレクサンダー・アルボンの奮闘もあり、コンストラクターズランキングも7位まで浮上。
過去には、ドライバーズタイトル7回、コンストラクターズタイトル9回、優勝回数114回を誇るF1界の超名門チームでもあり、復活の兆しがみえるウイリアムズだけに、2024年からコマツと組むことで、トップチームに返り咲くことを期待したい。