原付免許で125ccに乗れる……と喜ぶのはちょっと待て! いま売ってる125ccには乗れない「新基準原付」はユーザーメリット「ほぼゼロ」の改正だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■原付バイクの排気量を125cc以下まで拡大することが検討されている

■制度が変わっても既存の125ccバイクを乗れるわけではないので注意が必要だ

■新制度になってもあまりメリットは増えないといわれている

原付の免許で125ccに乗れる!?

 2023年の暮れあたりから「原付免許(もしくは普通自動車免許)で125cc以下のバイクに乗れるようになる」という話が広まっている。これは警察庁が、現在は排気量50cc以下としている原付一種モデルの基準を「125cc以下」へ改めることについての検討会の報告書を出したことが大いに影響している。

 道路運送車両法では、原付免許もしくは普通自動車免許で運転することのできる第1種原動機付自転車(原付一種)について、エンジン排気量を50cc以下とすることを定めているが、そこを改正して125ccまで排気量を拡大した「新基準原付」を誕生させようというのが報告書の結論といえる。

 とはいえ、もし原付一種の排気量が125cc以下になったからといって、従来からの125cc以下のバイク(第2種原動機付自転車、いわゆる原付二種)を原付免許で運転できるという意味ではない。そのあたりが周知されていないため、冒頭のような「誤解」が広まっているといえる。

 現時点での情報を整理すると、原付一種の規格を排気量と最高出力というふたつの条件で定めるのが「新しい原付」であり、具体的には排気量125cc以下、最高出力4kW以下を新基準原付とするという風になっている。

 市場にはさまざまな原付二種バイクが存在しているが、空冷エンジンを積むホンダ・スーパーカブ110であっても最高出力は5.9kWもある。同じホンダの水冷エンジンを積む原付二種スクーターPCXの最高出力は9.2kWとなっている。最高出力4kWというのは、いま売られている原付二種のスタンダードからすると、かなり絞った基準といえる。

 つまり、既存の原付二種モデルを原付免許や普通自動車免許で運転できるようになるというわけではないのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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