クルマの「奥のほう」から「カカカ……」「コココ……」と音がする! 放置は絶対NGな異音の原因と対処法 (2/2ページ)

放っておくと重大な故障につながる場合だってある

車体のフロア付近

 床面のフロアの下あたりから聞こえてくる異音もいくつかありますが、この部分で発する音の原因で代表的なのがマフラー関連のものだと思います。そのひとつは触媒に付けられている遮熱板のビビリ音です。触媒は排気ガスを浄化する際に、排気の高い温度を活用するため、装置自体も熱々になります。

 前出のエンジンの側のビビリ音と同じく遮熱のために装着されているカバーがビビって音が発生してしまうのです。対策も前出のように一筋縄ではいかないケースもあります。

 また、マフラーを吊っているゴム部品の劣化や、それを固定するボディ側のフックの取り付け部の緩みなどが原因で音が発生するケースもあります。ひどい場合はエンジンの振動を拾って振動するマフラーがフロア面と接触して「ダダダダ……」と大きな音が出てしまうケースもあります。これはそのゴム部品の交換で対処できます。

室内の異音

 個人的にもっとも面倒だと思うのがこの室内の異音です。エンジンや足まわりと違って遮る部分がなく、ドライバーから近いこともあって、より明確に音が響いてくるので、気になり度合いはいちばんだと思いますし、その対策は難しい場合が少なくないんです。

 いちばん多いのはセンターコンソールの奥のほうから聞こえてくるビビリ音でしょう。

 センターコンソールの奥には、計器類のケーブルや固定用のステー、作動させるためのワイヤー類などが縦横に入り組んでいます。もちろん新車時は音が出ないようにきちんと固定されていますが、年数が経つとあちこちに劣化や変化が起こってきます。

 たとえばオーディオやエアコンの操作パネルを固定しているビス類の緩み、または、その接合部分の摩耗によるズレが発生し、それが原因でエンジンからの振動で共振してビビリ音を発してしまうケースです。結構この原因は多く見ます。

 このケースの対策は、まず音が発生している部分をざっくり特定します。そうしたらその場所まで分解して、想定される部分のビスを締め直します。緩んでいる部分が見つかればスッキリしますが、そうでないこともあります。その場合は、ビスを締め直すときにネジの緩み防止液を塗っておくといいと思います。

 これで直らなかった場合は、センターコンソールや、ダッシュボードの各パネルが音の原因である可能性が高いでしょう。これもたとえば、固定しているビスの緩みで末端部分が共振しているケースも多く見られます。なかには前オーナーの脱着ミスや、振動の影響で折れてしまっている場合もあります。この補修はなかなか難易度が高いものですが、今は通販などで便利な道具や接着剤などが手に入るので、それを活用してみましょう。

 また、配線やエアコン操作用のワイヤーの固定が緩んでパネルなどに当たって音が出るケースもあります。それも含めて、室内のビビリ音の対策は、とにかく発生している箇所をできるだけ具体的に確定することがキモとなるでしょう。やっかいなのは走行中のみ発する場合です。これは助手を用意して運転してもらい、自分は原因の究明に専念しましょう。

 ほかにもいろいろと異音の原因や場所はありますが、共通していえるのは、「たかが音だろう?」と放っておかないほうがいいということです。異音は劣化やダメージが発生したことの信号のようなものです。そのままにしておくとどんどんダメージが進み、終いにはパーツの破損、そして足まわりなどの重要な部分の場合は事故にもつながりますので、慎重に対処しましょう。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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