インドで大熱狂だった「5ドアジムニー」がインドネシアで登場……もイマイチ盛り上がらない! 裏にある日本でも根強い「原産地問題」とは (2/2ページ)

5ドアはすべてインドで生産されている!

 そこで気になるのがジムニー5ドアの現状。同車はインドにて、インド国内はもとより世界各国仕様も一括生産されているのである。

 ジムニー5ドアがインド製になることについて事情通は「スズキもそこは気にしているようですね。ジムニー5ドアのMTの価格は4億6200万ルピア(約444万円)となっています。3ドアと比べると割安イメージが目立ちますよね。インド製ということでスズキも強気の値づけができなかったとも聞いています」(事情通)

 スズキではすでにインドネシア国内でバレーノやSプレッソといったインド製モデルをラインアップしているが、目立ってインド製ということで品質面などで大きな問題が発生しているというわけでもない。

 ただ、「インドネシアはASEAN(東南アジア諸国連合)域内では、タイと並んで自動車の重要な生産拠点となっております。人口も多く経済成長も著しく『アジアの雄』として国民の多くは大国意識というか自分の国への誇りも高いのです。そして感情的には、インドを格下に見る傾向もあると見受けられます。インドネシアが自動車生産大国であるなか、インドで製造され輸入されたクルマについてはネガティブイメージを持つ人も多いようです。逆に日本はいまでも高度経済成長を成し遂げた『先進国』としてリスペクトされており、日本製というのは、日本人の想像を超えるほど特別視されるようです」(事情通)

 インドネシアとは異なり、インドでは逆に「インド人のために開発され、我々の国で生産したジムニー5ドアが世界へ輸出される」ということもあり、さらに人気の高いジムニーに追加された5ドアがインドで世界初公開されたこともあり、異常なまでの大騒ぎになったとされている。

 逆にインドネシアでは、話題の高かったジムニーに5ドアが加わったことはおおいに注目されているのだが、「インド製」ということでどこか気持ちにブレーキがかかってしまい、インドネシアデビュー時に筆者が見た限りではいささか冷ややかとも見られる反応となったように思える。日本人もクルマに関して原産国を意識する傾向があるが、インドネシアの人たちも、自動車生産大国であるからこそ、原産国へのこだわりは強いようである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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