この記事をまとめると
■グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでヒルクライム最速を記録したマクマートリー・スピアリング
■2025年から82万ポンド(約1億5580万円)で100台限定販売される
■マクマートリー・スピアリングは1000馬力を誇るEVでダウンフォースを得るのための大型ファンを備える
グッドウッドでデビューした最速ヒルクライムマシン
2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、多くのゲストを前に堂々たるデビューを飾った一台のコンパクトなBEVスポーツ。それは、伝統のファンカーの技術をBEVという最新のメカニズムと組み合わせて復活させようとした、イギリス・グロスターシャーに本社を置くマクマートリー・オートモーティブ社が製作した、「スピアリング」と呼ばれるモデルだった。
ちなみにスピアリングとは、アイルランドの公用語のひとつであるゲール語で「雷雨」を意味する言葉。創始者のデビッド・マクマートリー卿がアイルランド出身であることから、あえてゲール語のネーミングが与えられたという。
スピアリングが初めてグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのヒルクライムに臨んだのは2022年のこと。それまでの記録は1999年にニック・ハイドフェルドがマクラーレンのMP4/13で記録した41秒6。非公式タイムではVWのID.Rがロマン・デュマのドライブで39.9秒とういう記録を残しているが、スピアリングはその記録をさらに更新、39.8秒というタイムを達成したのだ。
それから12か月の開発期間を経て、スピアリングはさらに最新のスペックへと進化を遂げた。正式なネーミングも「スピアリング・ピュア・トラックカー」となり、それが意味するとおり、サーキット走行専用車として、あるいはグッドウッドのようなヒルクライム競技の専用車として、2025年から100台の限定車として販売が開始されることになったのである。
掲げられるプライスタグは82万ポンド、現在のレートでは約1億5580万円に相当する。