愛犬との幸せカーライフはクルマ選びが第一歩! 犬とクルマを知り尽くしたジャーナリストが選ぶ「これを選べば間違いなし」の実車名 (2/2ページ)

ボディタイプ別にドッグフレンドリカーを選出

 前置きが長くなってしまったが、そんな条件を元に、お薦めのドッグフレンドリーカーをジャンル別に紹介したい。評価はモータージャーナリスト&ドッグライフプロデューサーのボクに加え、わが家の3代目自称自動車評論犬のジャックラッセルのララも加わっている。

ステーションワゴン

1)ボルボV60リチャージ(PHEV)

 ボルボは古くから愛犬家に愛されてきた自動車メーカーであり、かつてはワゴンメーカーとしての確固たる地位を築いてきた。V60は自慢の安全性能、先進運転支援機能の充実度だけでなく、後席の乗降のしやすさ、最新のPHEVモデルは走行性能のスムースさ、車内の静かさ、乗り心地のよさ、低重心ゆえのカーブなどでの姿勢変化の少なさ、エアコン吹き出し口が後席Bピラーにも用意される空調環境のよさなど、ドッグフレンドリーカーとしての資質満載の1台。

 後席用純正アクセサリーのドッグベッドのフルサイズ、ハーフサイズが用意されている点にも注目だ。PHEVは愛犬と愛犬家にとって、現時点では理想の電動車でもあると思っている。

2)VWゴルフヴァリアント

 筆者が2014年から2台乗り継ぎ、マイ・ドッグフレンドリーカーとして愛用しているのが、VWゴルフヴァリアント。

 V60リチャージとは違ってガソリンターボモデルだが、最新の8世代目はハッチバックに対してロングホイールベース、マイルドハイブリッドとなり、乗り心地、車内の静かさなど、ドッグフレンドリーカーとしての資質を一段と高めた、手頃なサイズのステーションワゴン(ドイツ車らしさ、コスト度外視の造り込みでは7.5世代が最高。間もなく登場するゴルフ最後の8.5世代に期待)。

 もちろん、後席エアコン吹き出し口や純正アクセサリーの愛犬用フラットベッドも用意されている。

SUV

1)日産エクストレイルe-4ORCE

 最新のエクストレイルは、e-POWERとe-4ORCEの組み合わせによって静かでスムースかつ上質で安定感たっぷりで、悪路、雪道にも強い走行性能を実現している。温度調節もできる後席エアコン吹き出し口、リヤサイドウインドウのロールサンシェード、愛犬とのドライブ旅行の荷物(ペットカートを含む)を飲み込む広大なラゲッジルームなど、ドッグフレンドリーカーとしての資質、使い勝手ともに大満足できる、国産ミッドサイズSUVの新たなるベンチマークとなるオールラウンダーな1台だ。AC100V/1500Wコンセントの用意も、愛犬とのドライブ、災害時の車内避難に活躍してくれる。

2)三菱アウトランダー

 現行型アウトランダーはPHEVモデルのみとなり、走行性能はとにかくスムースで静か。しかも三菱自慢の悪路、雪道の走破性を備え、AC100V/1500Wコンセントも用意。さらに、愛犬なら無理なく乗れる3列目席を持つ3列シート仕様もあるのだから、完璧だ。

3)スバル・クロストレック

 クロストレックはマイルドハイブリッドだが、スムースで上級感ある走行性能、想定外の乗り心地と静かさが実現されたコンパクトなオールラウンダー。レイバックにないXモードも備え、雪道、悪路の走破性も文句なし。

ミニバン

 ミニバンはどの車種も基本的なドッグフレンドリー度を備えている。が、なかでも2列シートのホンダ・フリード+、日産セレナは車中泊にも適するパッケージ、シートアレンジ性が光り、フリードは純正アクセサリーのHonda Dogシリーズの充実度が目玉。ホンダ車を好む愛犬家が多いのも頷ける。

 セレナのe-POWERは電動車感が強く、走りのスムースさ、静かさでもミニバントップレベルといっていい。

コンパクトカー

1)ホンダ・フィット

 意外かも知れないが、フィットは歴代、ドッグフレンドリーなコンパクトカーである。決め手はセンタータンクレイアウト採用による後席のアレンジ性。後席を畳むと低くフラットに収まり、後席部分からラゲッジルームにかけて、広大な空間が出現。コンパクトカーにして大型クレートの積載もラクラクなのである。

 もちろん、リヤドアからの犬の乗降性も文句なし。加えて純正アクセサリーのHonda Dogシリーズの充実度もポイント。クロスターならデザインも華やかになり、愛犬とのドライブに最適だ。

2)スズキ・ソリオ

 プチバンとも呼べるナローな車幅にして、広大な後席、ラゲッジルームを備えた両側スライドドアモデル。運転のしやすさ、姿勢変化の少ない乗り心地の快適性、ハイブリッド、マイルドハイブリッドの静かでスムースな走行性能もドッグフレンドリーポイントだ。価格の安さも大きなメリットとなる。

軽自動車

 軽自動車は広大な室内空間と両側スライドドアによる乗降性のよさを備えたスーパーハイト系がドッグフレンドリーカーとして適切。とくにシートアレンジ性に優れたホンダN-BOX、新型で純正ペットアクセサリーのペットサークルなどが加わり、天井にスリムサーキュレーターも用意されるスズキ・スペーシア、そして三菱デリカミニのドッグフレンドリー度が高い。

 とくにスペーシアは、スリムサーキュレーター付きであれば後席の空調環境に優れ、極めてドッグフレンドリー。デリカミニは犬のような「デリ丸。」くんのキャラクター展開に加え、4WDモデルの走破性の高さもあり、愛犬と愛犬家にとって理想のオールラウンダーな軽自動車といっていい。

 また、意外なチョイスとして、軽商用車ながら中身は乗用軽のスペーシアそのもの、しかも標準装備のマルチボードでシートアレンジ自在のスペーシア ベースもなかなかの選択であり、愛犬家にも好評だ。

 外部電源ユニットもオプションで用意され、自宅駐車場やキャンプ場の電源付きサイトでAC100V/1500Wコンセントから電源をとることもできるから超便利。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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