なかなかドライバーが集まらない実情とは
■コロナ禍で大ダメージを受けて数が激減
いまでは「運転代行サービス」は、郊外や地方のアルコールを提供する飲食店では当たり前のサービスになっていますので、かなりの数の会社があるのだと推測できますが、実際はどれくらいあるのでしょうか?
令和4年の時点では、日本全国で約7800社が営業をおこなっているそうです。8千弱というと、おおよそパチンコ店の数と同等なので「けっこう多いな」と感じましたが、それだけ全国各地の地域に浸透している証と見ることができます。
しかし、その業者数は、コロナ禍の前と比べると約1割の700社くらいが廃業に追い込まれてしまったそうです。台数で見るともっと深刻で、コロナ禍前の令和元年時点では2万4000台が運用されていましたが、令和4年では1万7000台と3割も減ってしまっています。
その数字からは、コロナ禍を乗りきればまた利用者数が戻ってくるという希望を胸に、台数を絞って生き残りを図ったことが窺えます。
■いまはドライバーの補充が最優先課題
コロナ禍が明けて、それまで溜まったウップンを晴らすようにみんなが飲食店に繰り出し、街は以前の活気を取り戻したように思えますが、その一方で、「すいませーん、代行呼んでください!」>>>「ごめんなさい、いまの時間捕まらなくて……」というシーンもよく見かけます。
コロナ禍の影響で減ってしまったドライバー要員が戻ってこないために、需要は戻りましたが、供給が追い付いていないという状況になってしまっているようなのです。
先述のように代行サービスのドライバーは「二種免許」が必要です。これは新たにこの業務に就きたいと思う人には大きなハードルです。しかも代行サービスの営業は、時間が夜から朝にかけてと短く偏っていることから、副業を持っている人でないとバランスが取りづらいという側面もあります。それらの要件で、一度離れたドライバーがなかなか戻ってきてくれないそうなんです。
それが遠因として関わっているかどうかを示すデータはありませんが、ここ数年で飲酒運転の検挙数が増えているという報告も聞こえてきます。
いまや「運転代行サービス」は飲酒運転を減らすための重要なシステムのひとつとなっています。協会と「運転代行サービス」の会社の多くはドライバー募集のハードルを下げるようにと、免許取得支援や業務のサポート、講習会などの支援策を講じているそうです。もし「やってみたいけど不安があるし踏ん切りがつかなくて……」と考えている人は、JDAまたは近くの「運転代行サービス」会社に問い合わせしてみてください。