スペシャルマシンはやっぱり音もスペシャル!
スバル・インプレッサ WRX STI R205
スバルの水平対向エンジンのエキゾーストノートもまた、こだわりのユーザーが大勢いるようです。とりわけSTIがやりすぎってくらいチューンアップしたR205の野太い排気音は、アイドリングを聞いただけでハイパワーを予感させるほど。なにしろ320馬力までチューンアップされたエンジンですから、ボクサーユニットのドコドコ音も迫力が違います。
もっとも、水平対向エンジンはエキゾーストマニホールドの長さがそれぞれ等長か不等長かでずいぶん違って聞こえるもの。R205は専用のボールベアリング式ツインスクロールターボの最大効率を狙って等長パイプを採用しているためか、爆発音がきれいに連続し、ドコドコはさほど感じられないかもしれません。ちなみに、空冷911は964までは不等長、993から等長としており、こちらもドコドコという音の違いが聞き取れるはず。
いずれにしろ、ボクサーユニットの滑らかな音圧上昇は聴きごたえあるもの。極太のパイプなど用いたら、R205並みの迫力となること請け合いです。
番外編 ホンダNSX(NC1)
2023年に「赤ちゃんが泣き止むエキゾーストノート」を奏でるオモチャが発売され、クルマ好きの皆さんもザワついたのではないでしょうか。これはホンダがS2000やインテグラ タイプRといったスポーツカーが発する低音域が「なんだか赤ちゃんにウケる」ということを探り当て、なかでもNSXのエキゾーストノートが「赤ちゃんが泣き止む」率が高いことを発見。その音を仕込んだクルマ型のぬいぐるみをオモチャメーカーとともに開発したというもの。
どうやら、排気音の低音域は赤ちゃんが母体内で聞いている音(心音や血流音、会話など)にほど近い周波数とのことで、赤ちゃんはそうした音を聞くことで母親の胎内にいた記憶を呼び覚まし、セロトニンやオキシトシンといったリラックス物質が分泌され「泣き止む」のだそう。
開発にあたってホンダが行った実験では、大人にも「心拍数が安定した」など一定の効果が認められたとのこと。むしろV6ターボの排気音なんて、クルマ好きが聞けば走り出したくてウズウズしてくるものかと思いましたが、なるほど母体で聞いた音に近いとは驚きです。
クルマ好きの皆さんも、リラックスしたいとき、心落ち着かせたいときはぜひV6ターボの音を試してみてはいかがでしょうか(笑)。