モーターはエンジンよりも圧倒的に応答が速い!
そうしたなかで、e-4ORCEを特徴づけるのは、モーター駆動であることだ。モーターの応答性は、エンジンの約100分の1の速さとされる。また、モーターは、回生を使うことでブレーキに依存せず減速することができる。加速と減速の切り替えも、エンジンに比べ100分の1速い応答であるということは、人が気づきにくいほど早く、走行状況や路面変化に応じて瞬時に制御できることになる。回生を用いることで車体の姿勢変化も抑制し、乗員に余計な揺れを覚えにくくさせることにも役立つ。
4輪駆動技術そのものの知見はもちろんだが、モーター駆動であることがなにより重要で、それがエンジン車や従来のハイブリッド車(HV)に比べ、EVを飛躍的に高度な操縦安定性と乗り心地に仕立てる潜在能力となっている。日産のe-POWERは、EV技術を基にしたモーターのみでの駆動であるため、EVでもe-POWERでも、e-4ORCEを採用でき、そこが独自性となっている。
したがって、EVのアリアはもちろん、e-POWERのエクストレイルでもe-4ORCEを使えるのであり、将来的にGT-Rが電動化されると仮定した場合には、e-4ORCEが威力を発揮するのではないかという期待も高まるのである。