アグレッシブすぎたスタイリングが裏目に出た
もちろん、ラゲッジルームの広さ、分厚いカーペット敷きの豪華さもレグナムならではで、逆スラントしたフロントフェイスに代表されるアグレッシブなスタイリッシュさとともに、スポーティかつ当時のレガシィよりワンランク上の車格もあって、上級スポーツワゴンとして日本のみならず、欧州、北米などにも輸出され、一定の人気はあったと記憶する。
1998年にはレグナムの真髄と言えるかも知れないVR-4 type-Sをベースにした特別限定車のスーパーVR-4が登場。専用のエアロパーツを始め、当時のクルマ好きの憧れでもあったMOMOの本革巻ステアリング、レカロシート、そしてラリーアート製マフラーなどを奢っているのが特徴だった。
いま思い出してもなかなかのキャラクター、スペック、VR-4の走行性能を誇ったレグナムだが、1990年代中頃は、たとえば1994年に発売されたホンダ・オデッセイ、1996年に日本中の家族を幸せにしたホンダ・ステップワゴンなどの乗用ミニバンが続々と登場し、時代は一気にミニバンブームへと突入。
その余波を受け、アグレッシブすぎたエクステリアデザイン、1997年から2000年にかけて三菱自動車にはいろいろと問題が発覚したこともあり、販売は低迷。2002年8月に生産を終了。同12月に販売終了。残念ながら、1代限りのモデルとなったのである。
とはいえ、とくにスーパーVR-4は、三菱らしい機能、走行性能満載の、いまやネオクラシックなプレステージスポーツワゴンであったことは確かである。