サンダーバードが田んぼに降臨!? テムザックの手掛けるロボットたちのデザインが秀逸すぎる (2/2ページ)

シャレもデザインセンスも高い!

 ……とはいえ、テムザックの素敵なところというかツッコミどころは、「いちいちシャレが効いている」ということだろう。

 雷鳥2号のデザインは言うまでもなく「サンダーバード2号」へのオマージュであり、イノシシなどの害獣対策として、夜間に圃場に侵入した害獣を検知し、高圧で対象物に向けて放水を行うロボット「雷鳥3号」の造形は、意味もなくサンダーバード3号に激似となっている。

 そして、雷鳥シリーズの初号機である「雷鳥1号」は水田における雑草抑制&遠隔監視ロボットであるため、そのマシン自体を可愛く仕上げる必要はまったくないのだが、なぜか意味もなく可愛らしいライチョウのオブジェ(?)がマシン上に鎮座している。卓越した技術力だけでなく、このあたりの洒落っ気も、株式会社テムザックという企業の真骨頂なのだろう。

 また、いわゆるデザイン力もかなり高いようで、テムザックが開発したモビリティ型の乗れるロボット「RODEM」は、要するに「電動車いす」なわけだが、この素敵なデザインであれば、20年後ぐらいには足腰が弱りまくっていることが確実に予想されている筆者も、ぜひ利用したいと思う。スズキの「セニアカー」もシブくて嫌いではないのだが、やはり筆者のような「新世代の老人」としては(?)、デザイン的に洒落ているRODEMでお出かけしたいというのが正直なところなのだ。

 そのほかでは、下水道点検の作業効率化を助ける多脚歩行式の管内調査用クモ型ロボット「SPD1(プロトタイプ)」もかなり可愛い。現在は実証実験中であるとのことだが、このクモ型ロボットが群れをなして都市の地下をせっせと点検してくれている絵面を想像すると、それだけで幸せな気持ちになってくる――というのは少々大げさだろうが、「なんだか楽しい気分になってくる」というのは確かだ。

 今後はさまざまな分野にさまざまなロボットが登場し、クルマもまた、ある意味ロボット的になっていくのだろう。それはそれで仕方のない時代の流れではあるが、願わくば多くのロボットが、テムザックのワークロイドのような「ちょっと楽しい感じ」なモノになってくれますように……とは思っている。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

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絵画制作
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町田 康

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