この記事をまとめると
■BYDが2024年の戦略発表会を行なった
■2023年は日本で1446台のBYD車を販売し、2024年以降は毎年1車種以上のモデルを日本に導入する
■BYDアット3にアップグレードを実施して大型ディスプレイを15.6インチに拡大、価格を450万円に変更
日本にも完全に定着した感のある中国車メーカーのBYD
EV普及に鈍化の兆しが見えているという報道もあるが、将来的にEVがありふれた存在となったとき、2023年はターニングポイントのひとつになるであろうことは間違いない。テスラ・モデルYが2023年にEVとして初めて世界でもっとも売れたクルマとなったことがそれを証明している。そして、そんなテスラを上まわる台数のEVを販売したのがBYDだ。その台数はじつに300万台オーバー。BYDは自動車販売台数でトップ10にも入るほどの躍進を遂げている。
いまや世界一の電気自動車メーカーとなったBYDが、2024年3月1日、2024年の戦略発表会を行なった。発表会には、BYDジャパンの劉学亮代表取締役社長とBYDオートジャパンの東福寺厚樹代表取締役社長が登壇。
BYDジャパンの劉社長は、まずは2024年央に発売予定のシールを皮切りに、以降、毎年1車種以上のモデルを継続的に日本に投入していく予定であることを発表した。導入を検討している車種の名前は明かされることはなかったが、BYDにはドルフィンよりもさらにコンパクトなシーガルやラグジュアリーミニバンのデンツァD9、プレミアムSUVにカテゴリーされるヤンワンU8など、魅力的なモデルが多数揃っているだけに、期待は高まる。
一方、BYDオートジャパンの東福寺社長は2023年の販売実績を総括。参入時に掲げた販売目標の2000台を達成することはできなかったが、それでも2023年1月から12月までの1年間でアット3を1198台、ドルフィンを248台、合計1446台のBYD車を販売したことを発表。さらに、販売拠点も順調に整備が進められており、現時点(2024年3月2日時点)で全国51拠点を展開、2025年末までには100店舗を目指す予定であることを強調した。
両者の発表からは、いずれも今後のBYDのさらなる躍進を感じさせる自信を伺うことができた。
さて、発表会では2024年の戦略とともに、アット3にアップグレードが施されることもアナウンスされた。
その具体的な内容は、外装色コスモスブラックと内装色ブラック/ダークブルーの追加、テールゲートのデザインロゴの変更、大型タッチスクリーンを12.8インチから15.6インチに変更、そのほか使用可能なアプリの追加とソフトウェアのアップデートといったところだ。
これらアップでグレードによりアット3はこれまでの440万円から450万円となっている。
2023年にもっとも躍進を遂げた自動車メーカーともいえるBYD。その勢いは2024年もとどまるところを知らないようだ。