この記事をまとめると
■2024年のスーパー耐久にて新たな動画配信サービスがスタート
■モータースポーツでは世界初となる「マルチアングル配信サービス」が導入される
■コース内に置かれたカメラ映像を視聴者の任意で切り替えることができるのが特徴だ
スーパー耐久にて世界初のマルチアングル配信が実現!
富士24時間耐久レースや、ST-Qクラスという「水素燃料」や「バイオフューエル」を使用する実験車両が鎬を削るスーパー耐久は、年々盛り上がりを見せており、いま日本でもっとも注目すべきレースのひとつとも言えるだろう。
そんなスーパー耐久の2024年シーズンは、スポーツ庁と共同で実施するスポーツオープンイノベーションプラットフォーム(SOIP)構築の推進を目的としたプログラム「SPORTS INNOVATION STUDIO オープンイノベーション」を採用。コラボレーションパートナーの一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が公認する四輪自動車レース「スーパー耐久シリーズ」の運営を行うスーパー耐久機構(STO)と組み、「モータースポーツでの新たな映像視聴」、「体験の価値創造」、「スーパー耐久のさらなる発展」を目的とした配信協業を開始すると発表した。
これだけ見ると、「映像なんてスーパーフォーミュラやスーパーGTでも見れるじゃん」となるだろう。しかし、今回の映像配信はひと味もふた味も違うのだ。
それは、「世界初となるマルチアングル配信サービス」を行うからだ。
どういうことかというと、まずモータースポーツは、サーキット内で同時多発的にさまざまなドラマが起きるスポーツ。いろいろなパワーや性能を持つクルマが走っている故に、コースの至るところにクルマがいる。なので、サーキットの顔とも言えるホームストレートで勝負をしているクルマがいる真裏のエリア、またはピット内では何か別のことが起きている可能性がある。しかし、それをすべて把握するのはほぼ不可能。結果、ハイライトなどで追い抜いた間やクラッシュが起きたシーンなどが放送されるわけだ。
しかし、それが見られるのも映像が残っていればの話。カメラの場所やタイミングによっては、何かアクシデントや勝負の駆け引きがそもそも映ってない可能性だってある。映っていても構成上省かれている場合もある。
そんなモータースポーツシーンにおける長年の悩みと、「サーキット内でのさまざまなドラマをファンの方に届けたい」「いままで届けられなかった舞台裏のドラマもファンの方に届けたい」「スーパー耐久の奥深さや熱いドラマをもっと知ってもらい、もっとサーキットに足を運んでもらいたい」という想いによって、今回の協業に至ったとのことだ。
これは、すでに公式YouTube「S耐TV」で配信をしている「コース上のレース映像」に加え「ピットアングル」等を増やし、さまざまなアングルを視聴者が選択して視聴できる、世界初のモータースポーツマルチアングル配信となる。
ここで使われるのは、AMATELUS社が開発・提供する「SwipeVideo(スワイプビデオ)」というシステム。これは、映像処理や配信負荷が高いとされてきた自由視点&マルチアングル映像を、ブラウザ(アプリ内も可)で配信できる世界初のシステムだ。見たいエリアの映像は視聴者側で自由に選択できる。
ちなみにここでいう「世界初のマルチアングル配信サービス」というのは、「自由視点映像/マルチアングル映像技術「SwipeVideo(スワイプビデオ)」(AMATELUS が保有する国際特許技術)を用いて、「モータースポーツの映像」を10アングル以上の映像として高画質でマルチアングル配信する取り組みを指す。※AMATELUS 社調べ。
2024年は実証実験の段階ではあるが、こういった先進的な取り組みを積極的に取り入れる姿勢には、ST-Qクラスを理念とどこか通ずるものがある。今年もスーパー耐久から目が離せない。