この記事をまとめると
■R35GT-Rに採用されて注目されるようになった「トランスアクスル」について解説
■FRのレイアウトに採用することで走行性能の向上を狙っている
■コストがかかり専用の設計が必要なため採用車種は高級スポーツカーなどに限られる
聞いたことはあるが意味は知られていない「トランスアクスル」
「バルクヘッド」、「レインフォースメント」、「イモビライザー」、「シーケンシャルターボ」などなど、クルマに関する用語には、つい発してみたくなるカッコイイ横文字で溢れています。知っている単語の組み合わせ次第でカッコイイと感じるものや、意味を知ると「ああなるほど」と納得できるもの、あるいは意味を聞いてもあんまりピンと来ないものもあったりします。
そのなかでも、ここ数年でいちばん気になっているワードが「トランスアクスル」です。R35GT-Rに採用されて注目を浴びたことで、自動車雑誌などを見た人で気になっているという人も少なくないのではないでしょうか。
ここでは、その「トランスアクスル」について、解説してみようと思います。
「トランスアクスル」とは、駆動系のレイアウト法のひとつ
「トランスアクスル」というのは、「トランスミッション」と「デファレンシャルギヤ」を一体化した機構のことを言います。
しかしそれを知っても、「トランスアクスル」の語源がピンと来ませんね。
みなさんは「トランスアクスル」と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょう? 前半部の「トランス」と言うと、電柱の上に設置されているグレーのゴミバケツに似た円柱状の機械でしょうか? ちなみにあれは「変圧器」で、変電所から送られてきた高圧の電気を家庭用の100Vに変圧するためのものです。あるいは「トランス脂肪酸」なんていう言葉もCM等で聞いたことがありますね。
トランス(trans)とは、横切る、越える、変換する、交流する、などの意味の言葉です。これはあまりピンと来ません。
または、「トランスファー」の略として使われているケースもあるようです。こちらは 移す、移動させる、移転させる、渡す、送るといった意味があります。自動車では、主に四輪駆動車で「トランスミッション」の後ろに装着されていて、二次減速と前後への駆動力配分を受け持つ装置ですが、意味合い的にこれでもなさそうです。
はい、余談はこれまでにしておきましょう。明確に記述している資料は見つかりませんでしたが、「トランスアクスル」の「トランス」は、「トランスミッション(transmission)」の略のようです。それに車軸を意味する「アクスル(axle)」を組み合わせた造語だそうです。