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いかにも「カッコイイ」クーペ風SUVは日本で成功しない? 海外とは異なる日本の特殊な市場とは (1/2ページ)

いかにも「カッコイイ」クーペ風SUVは日本で成功しない? 海外とは異なる日本の特殊な市場とは

この記事をまとめると

■日本ではクーペSUVモデルが海外に比べて人気を得ていない

■過去に日本で販売していたクーペSUVモデルを振り返りつつ世界での人気ぶりを解説

■日本の独特な社会環境が影響していると筆者は考察している

ホンダWR-Vにかかる期待

 販売現場で話を聞くと、ホンダWR-V(正確にはインドでのエレベイト)の国内導入の背景については、「ヴェゼルが個性的なクーペSUVスタイルを採用しているため、それを敬遠されるお客様もいるので」との話を聞いた。ヴェゼル比でWR-Vの全高が70mmも高い。一方でヴェゼルは低めのルーフデザインを採用し、リヤドアのドアハンドルはドアサッシュ内に装着することで、「2ドアクーペ風」のデザインを強調しているようにも見える。

 街なかを走っているヴェゼルを見ていると、ディーラーオプション扱いとなっている、クロームメッキタイプなどのフロントグリルを装着しているのをよく見かける。これも販売現場で聞くと、現行ヴェゼルデビュー以来の人気装着オプションになっているとのこと。「グリルレス」とまではいかないまでも、極力グリルの存在感を抑えたオリジナルデザインを購入時に「唯一レベルの気になる点」としているお客の「駆け込み寺」的な装備となっているようである。

 一方でそもそも海外のWR-Vシリーズ(エレベイト含む)は、新興国向けモデルという側面もあり、押しの強さを強調するためにフロントグリルの存在感が強い。そもそも日本の消費者におけるクルマに対する趣向性はどちらかというと、アジアの一国ということもあり、東南アジアや中国などのアジア新興国地域とトレンドが近いものがあると筆者は感じている。その点ではヴェゼルよりWR-Vのほうが顔つきでは日本においてウケがよりよいものになっているともいえよう。

 欧米では受け入れられにくいキャラクターともいえる、トヨタ・アルファード&ヴェルファイアが日本でも大ヒットし、そしてアジア各国でも大ヒットしているのも一例といえるだろう。

 トヨタは2016年にクーペSUVスタイルを採用した「C-HR」の初代モデルをデビューさせている。当時のトヨタはSUVラインアップが少なめとなっており、そのなかでもコンパクトサイズのクロスオーバーSUVを待望する声のなかデビューしたこともあり、デビュー当初は大ヒットしたのだが、その後販売台数が伸び悩みを見せるようになり、2023年7月に生産終了となっている。そして世界市場では2023年6月に2代目がデビューしたのだが、いま現在国内ではラインアップされていない。

 日本で待ち望んで初代C-HRを購入したユーザーのなかには、後席居住性やリヤラゲッジルームの使い勝手に不満(狭い)を覚えるひとが目立ったそうである。そして、C-HRデビューからしばらくして、現行RAV4がデビューするとそちらへ乗り換える人も目立っていたということである。

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