ダイハツからのOEM車は一気に順位が下落
しかし、登録車からダウンサイズして軽自動車に乗り換えるといったユーザー層のなかでは、登録車も広く販売しているからとしてホンダや日産の軽自動車を選ぶ人も目立つ。また、ホンダや日産の登録車に乗っているユーザーのセカンドカーとしての需要も目立つ。
トヨタディーラーが軽自動車のピクシスシリーズや一部ダイハツブランドの軽自動車の委託販売を行っているのも、トヨタ車ユーザーがセカンドカーとしてトヨタとの関係の薄いブランドへ安易に流れないようにするという目的があると聞いたことがある。
ダイハツが混乱しているなか、ダイハツ車購入検討客をスズキは見事に取り込んでいるように統計数字から見ることができた。
登録車では含軽統計2位にトヨタ・カローラが入っている。登録車販売トップ常連のヤリスはわずか400台ほどの差で登録車2位となっている。ヤリスシリーズは2024年1月17日に改良を行っているので、改良の端境期というものも影響しているほか、能登半島地震の影響ともされている。それもあってか、改良後モデルの生産が一時停止となったとも聞いているので、この情報が確かで生産停止がなければ、2024年1月も登録車販売トップとなっていたかもしれない。
日産ノートが含軽統計7位、登録車のみで5位に入っている。ノートは2023年12月にマイナーチェンジを実施し、発表当時1月下旬に発売するとしているので、2024年1月の販売台数のほとんどはマイナーチェンジ前のモデルが結構含まれていると見ていいかもしれない。事実筆者も1月上旬に日産ディーラーを訪れると、「マイナーチェンジ前モデルも若干残っています」といった案内を受けた。
一方で、トヨタ・ルーミーが登録車のみで21位まで大きくランキングを下げている。トヨタ車のなかでは「ドル箱」の1台だが、ダイハツからのOEM(相手先ブランド供給)車なので出荷停止となってしまい、ここまでランキングを落としてしまっている。
軽自動車を中心にダイハツ不正問題の影響がランキングにも色濃く出てきた。今後は出荷停止となっているダイハツ車の出荷再開が順次行われるだろうが、ブランドイメージの悪化などもあり、出荷停止前の状況にすぐ戻すことは難しいものと考えている。