この記事をまとめると
■ホンダが2024年夏に日本市場投入を予定している「CR-V e:FCEV」を初公開
■プラグイン機能を備えた日本車初の燃料電離車で充電だけでなく給電も可能としている
■CR-V e:FCEVは、SUVラインアップの充実を図るホンダのフラッグシップモデルとなる
日本の新型CR-VはFCEVのみをラインアップ
ホンダは、2024年夏に日本国内市場への導入を予定している「CR-V e:FCEV」を、2024年2月28日から3月1日まで東京ビッグサイトで開催されていた「H2 & FC EXPO[春]2024~第21回[国際]水素・燃料電池展[春]~」において、世界初公開した。
ホンダのミドルサイズSUV、CR-Vの初代モデルが登場したのは1995年のこと。当時のホンダはミニバンやSUVといったRV車が新車ラインアップに存在していなかった。そこで、乗用車のシビックのシャシーを流用してSUV風に仕立てたクロスオーバーモデルを生み出したが、そのモデルこそCR-Vのルーツだ。
さらにCR-Vを含めた次世代モデル群を「クリエイティブ・ムーバー」シリーズと名付け、初代オデッセイや初代ステップワゴン、S-MXといった車両たちを次々に発表していった。
乗用車シャシーを由来とする取りまわしの良さと、SUVならではの居住性や積載性を兼ね備えた初代CR-Vは、発売後すぐに大ヒットモデルとなり、現代に続く都市型SUVの先駆けとなった。
また、初代CR-Vは日本国内だけでなく海外市場でも人気モデルとなり、北米や欧州、さらに中国へとモデルチェンジを重ねるたびに販売地域を拡大。日本国内では2022年12月に販売を終了しているものの、海外市場では好調なセールスが続いており、グローバルではホンダの「もっとも売れる四輪車」という存在になっている。
そんなCR-Vの現行モデルは、2022年9月より北米地域で販売が開始された6代目モデル。前述のように日本市場へは導入されていないものの、北米、欧州、中国、さらにはアジア地域でも販売中だ。1.5リッターターボを採用するガソリンエンジン車のほか、2モーター式ハイブリッドを搭載するe:HEV、さらにプラグインハイブリッドのe:PHEVといったパワートレインが用意されている。
今回披露された「CR-V e:FCEV」は、この6代目モデルの車体に、新世代の燃料電池(FUEL CELL)を搭載したモデル。このパワーユニットは、新たに「e:」が付け加えられたことからも連想されるが、かつてクラリティFUEL CELLに搭載していたパワートレインの大幅進化版だ。
新型CR-V e:FCEVでは、一充填走行距離は600km以上、EV走行可能距離は60km以上となる見込みだそう。
家庭や勤務先など、停車時に外部から充電できるのがプラグイン車の特徴だが、この新型CR-V e:FCEVでは、さらに「給電」も可能としている。左フロントフェンダーに備えられたAC充電/給電口に「ホンダ パワーサプライコネクター」を接続することで、最大1500WのAC給電が可能となる。
また、車内のラゲッジルーム右側にあるDC給電コネクターに「パワーエクスポーター e:6000」や「パワーエクスポーター9000」などの外部給電機を接続することで、屋外イベントや非常時の家庭用電源としても機能する。