旧車趣味に必要なものはガレージにパーツに……ってそれだけじゃ維持できない! じつは「主治医」が何よりも大切だった (2/2ページ)

友好な関係があってこそ楽しいカーライフが送れる

4:オーナー以上に愛車のコンディションを知り尽くしている

 オーナーの愛車のありとあらゆる箇所に手を入れ、バラして組み直して。オーナー以上に愛車のコンディションを知り尽くしているのが主治医です。そろそろ寿命を迎える可能性が高い部品、壊れる前に予防整備しておいたほうがいい箇所などを熟知しています。そのアドバイスはまさに「天の声」です。可能なかぎり、そのアドバイスに従うのが得策だと考えます。

5:ある意味商売っ気がない

 良心的な主治医はどこか商売っ気がないというか、金額以上に手間と時間をかけてでもコンディション維持のために腐心してくれるケースが多いように感じます。そこを理解せずに「もっと安く」とか「もっと早く」なんて愚の骨頂です。主治医だって人間です。「この人のクルマはいじりたくないな」と思われてしまったら最後です。商売っ気がない分、なかには納期にルーズな人もいますが、そこも込みで愛車を託せるくらいの度量を持ちあわせたいものです。

まとめ:主治医がいなければ趣味車のカーライフは成立しない?

 オーナー自身の身体の状態を把握し、適切なアドバイスをくれるのがかかりつけ医、いわゆる「主治医」です。これはクルマも同様です。オーナー自身、体調が悪いけれど原因がわからない、愛車も調子がいまひとつだけど、どのあたりの具合が悪いのかがわからない。人間の体は自然治癒することもありますが、クルマのような機械ではそうはいきません。自然治癒したのではなく「小康状態」なだけです。そういった不具合に適切に対処してくれるのが主治医、あるいは専門店の存在です。

 オーナーと主治医の信頼関係、いわゆる「二人三脚」がきちんと構築できることで初めて「充実した趣味車ライフ」が成立します。なかにはオーナーが主治医を兼ねるケースもあるでしょう。これができればたしかに理想的です。オーナー自身が納得いくまで愛車のコンディションを突き詰めることができます。ただ、スキル・作業環境が整っていないとオーナー兼主治医は成立しません。

 オーナー兼主治医が難しいのであれば、その道のプロに託すしかありません。なかにはオーナーが主治医を下に見るケースもあると聞きます。「自分は客であって依頼しているのはこちら」というあまりにも前時代的な発想から脱却できない人がいるそうですが、これは論外です。オーナー自身では手も足も出ないことを、主治医が代わりに手間と時間を惜しまずフォローしてくれるのです。この事実を常に意識して「充実した趣味車ライフ」を楽しみたいものです。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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