ひとつでも当てはまったら旧車趣味はあきらめたほうがいい? 旧車乗りにつきまとう7つの問題 (2/2ページ)

クルマの趣味は悩みごとの連続

4:金銭面の問題

 多くの場合、趣味の世界にお金がかかるのは世の常です。クルマのようにもともとが高額商品であればなおさら。家庭や個人的な事情でたまたま出費が重なったとき、どうしても趣味の分野の優先順位を下げざるを得ない場面があります。

 車検を切って一時的に保管するという手もありますが、そこから復活させるには想像以上にエネルギーが必要です。金銭面のやり繰りと置き場所が確保できないとなると……、泣く泣く手放さざるを得ないことにもなりかねません。

5:いい主治医が見つからない問題

 あちこち訪ねてみても、なかなかいい主治医が見つからない。ようやく見つかったとしても、遠方で毎回預けるには距離がありすぎて現実的ではない……。全面的に信頼が置けて、なおかつ愛称の良い主治医との出会いは奇跡に近いのかもしれません。

 あとは、いい主治医が見つからない理由がオーナー自身にある可能性も否定できないので、そこはいちど冷静になったほうがいい場合もありそうです。

6:人間関係の問題

 旧車界隈に限った話ではありませんが、行く先々でトラブルを引き起こす「アイツはトラブルメーカー」のレッテルを貼られてしまうと、気持ちにもお金にも余裕があったとしても維持していくのが厳しいことになりかねません。旧車界隈は想像している以上に「狭い世界」であり、いちど要注意人物の認定を受けてしまうと覆すのはかなり困難です。

 仕方なく別のクルマに乗り換えても、オーナーの性格は基本的に変わらないので、結局同じことの繰り返しになるという負のスパイラルに。「オーナー自身が変わるしかない」という意見もありそうですが、変わろうと努力するような人はそもそもトラブルを起こすケースが少ないのもまた事実なわけで……。

7:旧車は壊れるということ自体を受け容れられないという致命的な問題

 そもそも論として「機械は壊れるもの」という大原則を忘れそうになるほど、現代のクルマ、ひいては現代の日本車の多くが極めてタフです。何しろ、猛暑日のなかの大渋滞に巻き込まれたなかでエアコンをガンガンに効かせても水温計の針がピクリとも動かないのですから。0-100km/hが2秒台というスペックを持つクルマも驚異的ではありますが、高温多湿&渋滞という環境でも根を上げないというタフネスぶりも、機械としておそろしく優秀だということをじつは多くの人が忘れがちです。

 しかし、旧車はそうはいきません。高温多湿&渋滞な環境なんてもってのほか。壊れないに越したことはありませんが、「壊れる前提」で意識付けをしておいた方が、いざというときにあわてずに「やはりきたか」と、現実として受け止められます。これができないとしたら致命的です。旧車趣味はあきらめ、現代のクルマに乗り換えたほうが精神衛生上もよさそうです。

まとめ:旧車扱いしすぎないことも大事?

 腫れ物に触るように旧車に接するとかえって壊れやすくなる、なんて話も取材で耳にします。走らせても、盆栽として止めておくだけでも劣化するのは同じ。形あるもの、壊れるときは壊れます。傷だってつきますし傷みもします。

「まぁ、こんなもんだよね」くらいのおおらかさというか、気持ちの余裕が大事なのかもしれません。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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