女性ドライバーの増加が唯一の救い! トラックドライバー不足を生む3つの要因とは (2/2ページ)

女性ドライバーは増加傾向!

 若年層にとってトラックドライバーが魅力ある職業に感じられなければ、求人しても募集は少ない。報酬などの待遇をよくすることは、最低限の要素だろう。つまり、人気がない、というのが3つめの原因だ。

 もちろん自分だけの空間で仕事ができるという、人とのコミュニケーションを最低限にしたい人にも、トラックドライバーは比較的人気の職業だが、そういった人自体も減っているいま、またリモートワークが増えて、ほかの職種にも選択肢が広がっているから、そのほかの魅力を高めなければ、人手は集まらない。

 トラックやバス運転手から、タクシー運転手へと転職する人も少なくない。新卒でタクシー運転手を選ぶ人だっているのだ。それ以上に職業として魅力を感じられなければ、人材確保には苦労することになる。

 次に大事なのは、その職業が一般市民から尊厳をもって迎えられているかどうかだ。「職業に貴賎なし」といわれるが、実際には社会的地位の低い(市民の認識レベルで)職業は存在し、トラックドライバーはどちらかと言えば低い印象だ。

「運転免許さえあれば誰でもできる」とか「ただ運転だけしていればいい」など、トラックドライバーという職業を、そんな風に短絡的に判断してしまう人もいる。渋滞を回避して指定された時間に届けられるような努力や、崩れやすい荷物を運ぶ繊細な運転、荷待ちでの時間調整の辛さなど、影の努力を知らない人はたくさんいるのは仕方ないことだ。

 それでも3Kで給料が安い職業に敢えて就きたいと思う人はいないだろう。いまどきの若者ならなおさらだ。ゴミ収集車の作業員がかなりの高給取りであるように、デメリットを上まわるメリットを感じられなければ、人材は確保できない。

 社内の雰囲気を伝える工夫をしている求人広告も、最近は見かけることが多くなってきた。求人に応募してきて、面接して、好印象で入社しても、実際にその職業に就いても満足感が低ければ、会社を去ってしまう若者が続出することになる。

 一方で、女性トラックドライバーが増えているのは、職場の雰囲気が良くなったり、仕事がそれほどキツくないといったイメージが浸透しつつあるかもしれない。

「トラックドライバーならこれが当たり前」という固定観念を雇用側が打ち消して、若者に魅力ある職業だと思ってもらう努力を続けること、当面はこれを続けるしかないのである。


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