この記事をまとめると
■CES2024で「Honda 0シリーズ」が世界初公開された
■「共感を呼ぶ芸術的なデザイン」というコンセプトがどこに表現されているのかを解説
■ホンダの「M・M思想」を思わせるデザインも見られた
「アート」を提案したことはかなりチャレンジング
1月、米国ラスベガスで開催されたCES2024において世界初公開となった「Honda 0シリーズ」の斬新なスタイリングが話題です。誰もが一見して「カッコいい!」と思える同車のデザインの見どころはどこにあるのか? 今回はあらためてそのカタチを検証してみたいと思います。
カーデザインをアートとして捉える
では、まずデザインのテーマについて考えてみます。ホンダがこの次世代EVに掲げたデザインコンセプトは「The Art of Resonance」、すなわち「共感を呼ぶ芸術的なデザイン」です。これは結構なチャレンジですね。
たしかに、フェラーリなど一部のクルマは昔から「芸術的」と表現されてきましたけど、基本的にカーデザインはプロダクトデザインの範疇ですから、これを自らアートと呼ぶのは相当な自信なり覚悟が必要です。
ご存じのとおり、国産車では「魂動デザイン」を展開するマツダも「CAR as ART」を標榜しています。最近では、昨年のジャパンモビリティショーに出品された「アイコニックSP」で次のステージを目指しているようですが、ホンダもその領域に足を踏み入れるということでしょうか?
一方、0シリーズはホンダの原点である「M・M思想」を進化させることと、開発アプローチとして「薄い」「軽い「賢い」を掲げている点がユニークです。なぜなら「M・M思想」は合理性の追求ですし、薄さや軽さは高い機能性の表現ですから、ある意味アートとは真逆とも言えるのです。その融合をホンダがどう捉えているのかに興味がありますね。