この記事をまとめると
■ラリーカーに装着される「ライトポッド」を一般車に取り付けることは可能なのか解説
■取り付けることは可能だが灯火類の保安基準がかなり厳しいので現実的には難しい
■「ライトポッド」を作業灯として使用する名目で取り付けても問題はないが車検にとおらない可能性がある
ライトポッドを装着するにはクリアしなければならない制約が多い
ラリーカーのレプリカづくりは昔から人気のあるカスタマイズのひとつだが、カラーリングやデカールはともかく、ノーズにずらりと並んだ迫力のライト、「ライトポッド」を装着した場合、保安基準をクリアすることはできるのだろうか?
灯火類の保安基準はなかなか細かく、しかも厳しい。したがって、車検にとおるライトポッドとなると、クリアしなければならない制約がいくつもあることを覚悟しておこう。
まず本来の目的どおり、補助灯=フォグランプとして装着する場合、道路運送車両法の保安基準第33条がネックになる。
・前部霧灯は同時に3個以上点灯しないよう取り付けられていること。
・地上0.25m以上0.8m以下の高さに設置し、すれ違い用前照灯(ロービーム)より高い位置に設置しないこと。
とあるので、4つも、6つもライトがついているライトポッドは、配線をひかなかったり電球を抜いたりなどして、3個以上同時に点灯しないよう設定しておくことが条件になる。
そしてもうひとつの条件、「ロービームより高い位置に設置をしない」というのは、ノーズの低いスポーツカーベースだとなかなか厳しいし、そもそもボンネットの先端に設置しないと、ライトポッドらしさが半減してしまう…。
というわけで、フォグランプ(補助灯)としてライトポッドを装着し、公道を合法的に走るのはなかなか難しいのが現実だ。
しかし、「ライトポッドがないとオレのレプリカは完成しない」「ライトポッドがついているクルマを公道で見かけたことがある」という人もいるだろう。
そうした人は、フォグランプとしてではなく、作業灯としてライトポッドを取り付ける方法がある。作業灯として認めてもらうためには、走行中にランプが点灯しない仕組みにすることが条件。
サイドブレーキを引いた状態でしか点灯しないようにしたり、スイッチをカバーなどで覆い「走行中点灯禁止」と書いて貼り付け、ON/OFFの状態がわかるインジケーターを備えるなどの工夫が必要。
もっと手軽な方法としては、ライトポッドのレンズにカバーを被せたままにしておくとか、電球を抜いておくとか、配線をつながないようにしておくとか、実用性には目をつむり、ドレスアップパーツとして装着するなら、車検もとおりやすいはず。
「とおる」ではなく「とおりやすいはず」と、歯切れの悪いことをいったのは、ライトポッドがボンネットの上で出っ張ることで、「歩行者保護の規定に反する」とジャッジされると、車検がクリアできなくなるため……。
この辺はとても微妙なグレーゾーンなので、取り付け前に地元の陸運支局に相談し、作業灯として認められるかどうかを確認しておくことが肝要だ。