先代で極めたスポーティさは苦手な人もいた!? 新型スイフトが目指したものをデザイナー陣に直撃した (2/2ページ)

先進の素材感を打ち出したボディカラー

──ボディカラーでは新色が2色ありますが、次世代スズキを象徴するのが「フロンティアブルーパールメタリック」ですね。

「同じく3層コートで評判だった『バーニングレッド』の対となる色ですね。じつは開発は2016年から行っていたのですが、水溶性の塗料を安定して塗ることが難しく、発表が今回の新型スイフトまで掛かってしまいました」。

──もう1色の「クールイエローメタリック」は先進テクノロジーをイメージしたとありますが、具体的には何をモチーフにしたのでしょう?

「Z世代をターゲットとして、たとえばスポーツウエアやシューズなどで見られるシリコン系の新素材をイメージしました。スポーティの新しい解釈ですね。かなり思い切った色ですが、ここも「ハッとするデザイン」の一環と言えます」。

──次にインテリアについて。インパネとドアトリムをつないだシャープな造形は「スポーティ過ぎ」にはなりませんか?

「スポーティ過ぎるという点では、じつは当初は先代のスポーティな記号性の強い表現だったんですね。そこを仕切り直して、軽やかで包まれ感のある造形に修正した。グレーの樹脂部分は三角形のテクスチャーとすることで、明るい部分と暗い部分のコントラストを効かせています」。

──浮島的なインパネ造形は他社でも見られますが、これはトレンドでもあるのですか?

「それもありますし、Z世代に向けてあまり重厚に見せない狙いもあります。浮いている、抜けていることで従来とは異なる世界観を作りたかった。また、ナビ画面を上に移動させたことで中央の島がしっかり見えるようになったのですが、さらに金属調パーツを加えることで手前に飛び出して見えるよう工夫しています」。

──では最後に。新型は「従来のスイフトにとらわれないデザイン」を掲げましたが、実際に手掛けてみてどのようなことが達成できたと思いますか?

「スポーティさなど、記号的でストレートな表現から次世代へ更新するようなジャンプができたと考えています。ラウンドしたショルダーといった新しい要素や、ブルーの限界を超えた新しいボディカラー、黒一色ではなく軽やかなインテリアなど、いずれも仕切り直したことで実現した飛躍だと思います」。

──古典的なスポーティさからの脱却ですね。本日はありがとうございました。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
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オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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