この記事をまとめると
■ザガートは2021年にスペシャルモデルを発表している
■デザインは1990年に同社が手がけた「アルファロメオSZ」を彷彿とさせる
■「ジュリアSWBザガート」はワンオフモデルのため生産台数は1台だけ
アルファロメオSZが蘇った!?
2015年に発表されたセカンドジェネレーションのジュリア。セカンドジェネレーションとはいえ、それは1963年にジュリエッタから派生したモデルと、そのネーミングを等しくするだけであり、この間に存在する約半世紀の時間が物語るように、技術的に直接の関連性があるわけではない。
ちなみにこのセカンド・ジェネレーションのジュリアにとって直接の前作となるのは「159」。マセラティと共同開発したプラットフォームを採用したことなどが、新型ジュリアでは技術的には大きな話題となった。
新型ジュリアは、その生産の過程で徐々にスポーティなモデルを追加していく。とりわけ2020年に行われたマイナーチェンジ以降のグレード展開は、アルフィスタと呼ばれるアルファロメオのファンを十分に納得させるもので、2021年には「ジュリアGTA」と「GTAm」が期間限定ながら日本市場で販売されたことも大きな話題となった。それは初代ジュリアで存在した「スプリントGTA」をオマージュしたモデルであり、ベースは「2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO」。
GTAではルーフやボンネット、フェンダー、フロントバンパー、リヤデフューザーなどがCFRP製とされ、約50kgの軽量化を実現。一方のGTAmはさらに後席の廃止とロールケージの採用、サイドとリヤのウインドウをポリカーボネイト製としたことなどで、さらに50kgの軽量化に成功していた。それはジュリア史上もっともスパルタンな1台ともいえたのだ。
このジュリアGTAmの存在に注目したのは、もちろんアルフィスタだけではなかった。それが誕生した2021年にアルファロメオとの初のコラボレーションによって「G1」を生み出していたザガートは、それを記念するスペシャルモデルの製作をアルファロメオに打診。
ジュリアGTAmをベースにそれをショートホイールベース化し、より運動性能に優れた、そして流麗で空力特性に富むクーペボディを与えようという計画は、ザガートの有力なカスタマーの耳に入るや、一気に現実へと向かっていったのだった。