この記事をまとめると
■自車を歩道に乗り上げて停車する行為は交通違反に該当する
■そのほか駐車や停車が禁止されている場所を詳しく解説
■道路交通法には駐車や停車の方法まで明記されている
道路上の駐停車には厳密なルールが定められている
家族や友人を迎えに行ったり送り届けたりするときに道路上にクルマを停めることがあるでしょう。また、自動販売機やコンビニなどへ行くために歩道に乗り上げてクルマを停めている人もいます。これらは日常よく見かける場面ではありますが、正しい方法でクルマを停めていない場合には交通違反となるため注意しなければなりません。
歩道に乗り上げてクルマを停めるのは違反!
「ちょっとだけだから」「短時間だけなら」という理由や車道を走行する車両の迷惑にならないようにするために、歩道に乗り上げてクルマを停めるのは違反です。そもそも、歩道は歩行者の通行のために区画された道路の部分であるため、クルマを停めることはできません。
歩道や路側帯がある一般道路では、車道の左端に沿ってクルマを止めるのが正しい停め方となります。そのため、歩道に片輪を乗り上げて停車・駐車することは違反となるのです。
では、駐車と停車の定義や駐停車の方法は法律上どのようになっているのでしょうか。
駐車・停車とは?
まず、駐車と停車の定義を確認しましょう。愛知県警によると、駐車と停車は次のように定義されています。
駐車:車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く)または車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいいます。
停車:車両等が停止することで駐車以外のもの(短時間の車の停止)
このことからも、クルマをすぐに動かすことができない状態または同じ場所に停止し続けることが駐車になることがわかります。ただし、5分以内の荷物の積み下ろしや人の乗り降りは駐車になりません。
そのため、一般的によく聞く「駐車禁止場所でも誰かが乗っていれば停車しても大丈夫」というのは、条件次第では駐車違反になるということです。
駐車・停車が禁止されている場所
道路交通法には、駐車が禁止されている場所や停車が禁止されている場所などが定められています。
また、国家公安委員会が作成している交通の教則には、「違法な駐停車は付近の交通を混雑させるとともに、道路の見通しを悪くするため、飛び出し事故などの原因となります。また、パトカー、消防車など緊急自動車の通行を妨げるおそれもあります。駐停車しようとする場合には必ず駐停車できる場所であることを確認しましょう。」と明記されていることからも、クルマの停め方や止める場所には注意しなければなりません。
では、法律に定められている駐車・停車禁止場所をまとめて確認してみましょう。
【駐車・停車禁止場所】
次の場所では、駐車・停車をしてはいけません。ただし、赤信号や危険防止のために一時停止する場合などは別です。
・「駐停車禁止」の標識や標示のある場所
・軌道敷内
・坂の頂上付近やこう配の急な坂
・トンネル
・交差点とその端から5m以内の場所
・道路の曲がり角から5m以内の場所
・横断歩道、自転車横断帯とその端から前後5m以内の場所
・踏切とその端から前後10m以内の場所
・安全地帯の左側とその前後10m以内の場所
・バス、路面電車の停留所の標示板(標示柱)から10m以内の場所(運行時間中に限る)
【駐車禁止場所】
次の場所では駐車をしてはいけません。しかし、警察署長の許可を受けたときは別です。
・標識や標示によって駐車が禁止されている場所
・火災報知機から1m以内の場所
・駐車場、車庫などの自動車用の出入口から3m以内の場所
・道路工事の区域の端から5m以内の場所
・消防用機械器具の置場、消防用防火水そう、これらの道路に接する出入口から5m以内の場所
・消火せん、指定消防水利の標識が設けられている位置や消防用防火水そうの取り入れ口から5m以内の場所
【駐車する際の余地とその例外】
駐車したときに、クルマの右側の道路上に3.5m以上の余地がなくなる場所に駐車することはできません。また、標識により余地が指定されているときには、その余地がとれない場所では駐車してはなりません。ただし、荷物の積卸しで運転者がすぐ運転できるときや傷病者の救護のため、やむを得ないときは駐車できます。
【「駐車可」や「停車可」の標識がある場合】
駐停車や駐車が禁止されている場所であっても「駐車可」や「停車可」の標識により駐車または停車が認められている場合は駐車や停車ができます。