まずまずの好成績でチェッカー!
1時間が経過しピットイン。2スティント目に筆者はドライバーとしてハンドルを握った。ラップタイム3分10秒丁度で周回することを目標にしつつ燃料消費にも気をつけなければいけない。この設定時間が絶妙で、40mもの高低差があるここ富士。ハイブリッドシステムを積んでいるアクアではアクセルを踏まなければいけない場所、バッテリーを積極的に使う場所、リチャージしたい場所を考えながら走る難しさを思い知らされた。
他車に配慮しつつコーナーでは高い車速をできるだけ保ったまま曲がっていく。ステアリングにタイヤが捩れる感覚が伝わる感覚には大いに興奮させられた。さらに、周回を重ねるごとに身体が横Gにも慣れ、最初は届かないかと感じていた3分10秒も最後には切ってしまいそうなくらいだった。わずか15周ほどのスティントにもかかわらず、車内の暑さと興奮に汗をびっしょりかかされた。
次のドライバー、コドライバーに交代し我々のチームは規定通り8回のスティントでチェッカーを受けた。結果は全体14位、クラス9位だった。途中、3分10秒を切ったことでペナルティストップが課されたことや、エコ運転に徹したことでスタート位置より順位を落としたことは悔やまれるが、リタイヤせず皆が無事に帰って来れたこと、そして6時間を完走できたことには喜びを禁じ得ない。
レース後の夕焼け画像はこちら朝の9時半にスタートしたので、ゴールの15時半でも空はこの通り明るくて心地よい。参加してみれば、ちょっとした緊張感と楽しさで、6時間はあっという間に過ぎていた。 レース終了後、主催者であるTMSCの関谷正徳会長に話を伺ってみた。
「このTMSC富士6時間耐久エコノミーランは誰でも参加でき、どうすればもっと燃費を気遣った運転ができるか、エコ意識とテクニックが同時に学べるものだと思います。燃費や経済性、あるいは環境への負担といったことを個人でも考えねばならない世の中にあって、エコ耐久というのはクルマ好きのためだけではないと思っています。今後は、EVや燃料電池車といったジャンルも増やし、またサーキットを走ったことのない方など、より門戸を広げ、エコ意識、安全テクを広めていきたいと考えています」。
レース主催者であるTMSCの関谷正徳会長画像はこちら主催のTMSC会長を務める関谷正徳氏。ご自身こそ走らなかったものの、トムスをはじめとしたガチのレーサーも数多く参加していた。 単純にクルマの運転を楽しむフェーズから、しっかりと環境のことまで意識できるドライバーへ。実際にサーキットで競争しながら意識の変革まで促してくれたTMSC富士6時間耐久エコノミーランは、我々一般ドライバーが参加するにはうってつけのイベントに違いない。